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オーバーハングの家づくり。魅力と注意点をご説明します。

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出典:「b.e architecture」HPより

https://www.bearchitecture.com/

オーバーハングという手法をご存じでしょうか。建物の外観デザインを特徴的にしたり、オーバーハング下部を駐車場スペースとして利用したり、意匠的にも機能的にも検討の余地のある手法です。

今回は家づくりにおけるオーバーハングについて、魅力的なデザイン事例とともに解説していきたいと思います。 

オーバーハングとは 

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出典:「b.e architecture」HPより

https://www.bearchitecture.com/

オーバーハングとは1階の外壁に対して2階及びそれ以上のフロアの外壁が外側にせり出しているような形状のことを指します。「キャンティレバー」「キャンティ」「キャンチ」などと呼ばれることもあります。

オーバーハングのデザイン的なメリット 

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出典:「OON next office of architecture」HPより

https://www.oonarchitecture.com/ 

オーバーハングの形状はファサードに独特の表情を与えることができるのでデザイン的にも人気が高いです。外壁が外側に張り出した形状となることでファサードに緊張感が生まれ、特徴的な外観となります。張り出した外壁部分の材料を切り替えたりしてファサードのアクセントにするという手法もよく用いられます。 

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出典:「ZUN ARCHITECTURE&DESIGN」HPより 

https://zun-archi.ru/ 

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出典:「Sturgess Architecture」HPより 

http://www.sturgessarchitecture.com/

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出典:「Sturgess Architecture」HPより 

http://www.sturgessarchitecture.com/ 

例えばオーバーハング部分の外装テクスチャを切り替えることによって、上階のボリュームがより強調されて、浮かび上がったような表現でファサードを構成することができます。黒やダークグレーの重たそうな塊を浮かび上がらせたような表現はおもしろい効果が生み出されています。木調や鉄板など、様々な素材とオーバーハングを組み合わせることで独特のデザインが可能となります。

オーバーハングの機能的なメリット

デザインだけではなく、オーバーハングの形状には様々な機能的なメリットがあります。多様な空間の使い方が、よりオーバーハングの家の魅力を引き立てることになります。

オーバーハングは雨よけになる 

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出典:「TAO-arquitectura」HPより

http://tao-arquitectura.com/

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出典:「GRAUX&BAEYENS architecten」HPより

https://www.graux-baeyens.be/

上部にオーバーハングがあることによって雨よけスペースが生まれます。玄関廻りにオーバーハングがあれば庇として機能してくれるので、雨の時でも傘をさしたりたたんだりするスペースが確保できて安心ですね。

オーバーハングの下部は駐車場や庭にも 

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出典:「RUBEN MUEDRA ESTUDIO DE ARQUITECTURA」HPより 

https://www.rubenmuedra.com/

オーバーハング下部は庭やテラス、駐車場スペースにも活用することができます。特に、都心の狭小敷地のような場合で、駐車スペースを確保しながら2階の部屋の広さも確保したいという方には有効です。

その他にも、子供の遊び場、DIYのためのスペースとして活用することができますし、椅子とテーブルを置くだけでも、魅力的な屋外スペースを創出しやすいです。

オーバーハングの注意点は? 

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魅力的なポイントが多いオーバーハングですが、注意点もいくつかあるので把握しておきましょう。やはり、構造的には無理をした形状になってしまうので、より大きな部材が必要になってしまったり、頑丈な基礎が必要になってしまう場合もあります。また、住宅会社によってはオーバーハングの実績があまり無かったり、対応ができないという場合もあるので注意が必要です。

そしてデザイン的な魅力については、緊張感のあるファサードを通り越して圧迫感が生じてしまう可能性もあります。不安な印象を与えてしまうようなファサードになってしまい、あとで後悔することの無いように慎重にデザインを検討するようにしましょう。事前にパースや3Dで外観を確認できればより安心ですね。

オーバーハングにすると建築費用はどうなる? 

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よくオーバーハングにすると建築費用が下がりやすいと言われます。1階部分の面積が減少するのでそれに伴って基礎の範囲も小さくなり、その分費用が少なくなるという理屈ですね。もちろん下がることもありますが、オーバーハングを大きく張り出しすぎると、結局その部分を支えるために基礎が大きくなってしまうこともあります。基礎だけではなく、梁についても影響が生じることが多いです。張り出すことによって構造的には無理をする形になるので、梁のサイズアップも必要になります。

したがって、オーバーハングにすることによって建築費用が下がるか上がるかについてはケースバイケースというのが正直なところです。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はオーバーハングについてご紹介させていただきました。特徴的なファサードを生み出したり、魅力的な空間を生み出すうえで効果的な手法ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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