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洗面室の間取りで注意するべきポイント総まとめ

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 出典:「Dan Brunn Architecture」HPより

     http://www.danbrunn.com/ 

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

間取りを考える上で、洗面室の計画がおろそかになっていませんでしょうか。洗面室では、服を脱いだり着替えたり、化粧・歯磨き・洗面・髭剃りといった様々な生活行為が想定されるプライバシー性の高い空間である上に、洗濯や掃除といった家事にも直結する場所でもあります。

一坪ぐらいの大きさの部屋に、とりあえず洗濯機と洗面化粧台がレイアウトされていればOKというだけでは、後々さまざまな後悔につながる可能性があります。洗面室がうまく計画されているかどうかによって、生活のしやすさが格段に変わってくるのです。

そこで今回は洗面室の間取りを計画する上で注意すべき点を総まとめして解説していきたいと思います。洗面室の間取りを計画する上で必要となるあらゆる知識を徹底的に解説していきたいと思います。

本記事の内容を網羅することによって、理想的な洗面室を確実に実現することができるようになりますのでぜひご一読ください。 

洗面室の間取りでまず考えること 

洗面室の間取りを考える上でまず初めに方針を立てておきたいのは、家のどこに洗面室をレイアウトしたいかについてです。特に洗面室を1階にしたいか2階にしたいかについて最初によく考えておきましょう。

例えば洗濯物をどこ庭に干したいのか、バルコニーに干したいのかによって洗濯機を置くべきフロアが自ずと決まってくると思います。あるいは、LDKに隣接した部分に洗面室を配置した方が、家事がしやすいというスタイルの方もいらっしゃると思います。

このように、水廻りをどのフロアに配置するべきかを検討する上では下記のような記事が参考になると思いますので、ぜひ合わせてお読みいただければ幸いです↓↓ 

www.my-home-dream.com 

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洗面室の設置フロアを検討すると同時に、洗面室と脱衣室を分けるかどうか、そしてそのどちらに洗濯機を置くのかについても考えておくようにしましょう。例えば脱衣室の中に洗濯機を置いてしまえば、洗面室は洗面化粧台だけが配置される形になるので、お客様に対して洗濯スペースを隠すことができるので気兼ねなく洗面スペースを使ってもらうことができますね。特に来客の多い場合は良く考えておきましょう。

さらには室内干しやアイロンといった家事スペースを確保するために少し大きめの空間を確保するか、あるいは家事に特化した個室をランドリースペース・ユーティリティースペースとして計画するかについても視野に入れて検討してみましょう。下記のような記事が参考になると思います。 

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洗面化粧台の仕様で確認しておくべきポイント  

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洗面化粧台の幅 

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  出典:「CHRISTOFFERSEN&WEILING ARCHITECTS」HPより

     https://christoffersenweiling.com/  

洗面室の中には通常、顔を洗ったり、歯磨きしたり、化粧をしたりするための洗面化粧台が配置されることになります。この洗面化粧台は色・形状・デザイン・機能など、様々な仕様を選択できると思います。どのような選択肢があるのかを知っているだけでも、使いやすく理想的な洗面室に大きく近づくことができます。逆に知らないと、選ぶことができた選択肢を後で悔やむことにもなりかねませんので、設計士にお任せにするのではなく、自らも積極的に仕様の選択を行うようにしましょう。

わかりやすいところから考えるとすればまずは洗面化粧台の幅について。賃貸のマンションなどでは幅75cm程度の場合が多いです。一方戸建住宅の場合は90cm幅のものが標準的である場合が多く、標準的な1坪サイズの洗面室に90cm幅の洗面化粧台と洗濯機を並べて配置することが多いです。

さらにここからグレードアップして120cm幅とか160cm幅の洗面化粧台を選択することができるというパターンが多いですが、その分面積も必要になってくるので、本当に必要な幅はどれぐらいなのか、今現在お使いの洗面化粧台の寸法も確認しながら検討するようにしましょう。

例えばツーボウルにして二人で並んで使いたかったり、座って化粧をすることも想定される場合は、ある程度の幅の洗面化粧台が必要になってくるでしょう。

洗面化粧台の掃除のしやすさ 

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出典:「simoncouchmanarchitects」HPより

    http://simoncouchman.com/

見た目のデザインも大切ですが、水が溜まりやすかったり、掃除がしにくい形状になっていないかについても配慮するようにしましょう。水が溜まりやすい、掃除がしにくい形状の場合は少し油断してしまうと水垢やカビが発生しやすくなる可能性もあるので注意しましょう。

例えば上記の写真のように、カウンター上部に洗面器が載せられているようなベッセルタイプのデザインはオシャレで人気です。しかし、拭き掃除がしにくいという点で敬遠されることも多いですね。

洗面化粧台の収納 

洗面化粧台にはオプション的に収納を追加することができる場合が多いです。幅的にスペースに余裕があるようであれば洗面化粧台の横に縦長の収納を付け足してあげることができます。もし幅に余裕が無いようであれば、洗面化粧台の上部に天袋収納を追加することによって収納力をアップさせることができます。しかしこの場合、天井に近い部分の収納になってしまうので、出し入れはしにくくなってきます。人によっては台に乗ってからでないとものを出し入れするのが難しいということもあるので、あまり出し入れが頻繁に必要なものを収納するには不向きであるという点に注意しましょう。

洗面化粧台下部の収納は引き出しタイプのものが便利ですね。手前のものをわざわざどける必要もなく、奥になおしたものを取り出しやすいという点が引き出しによる収納のメリットですね。しかし、バケツなどのようなある程度大きなサイズのものをしまっておきたいという方にとっては、引き出しよりも開き戸収納のほうが好まれることもあります。

最近では小物入れが非常に充実した洗面化粧台も人気になってきています。化粧品・メイク道具・シェーバー・コンタクトレンズ用品など、洗面室では様々な小物が登場するので、こういった機能は非常に重宝します。

しかしながら、その分このような細々とした収納スペースはホコリだまりにもなりやすく、掃除もしにくい部分になります。こまめな掃除が煩わしいという方にとっては敬遠されることもしばしばあります。

ミラーvsアクセントタイル 

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出典:「simoncouchmanarchitects」HPより

    http://simoncouchman.com/ 

低い部分にミラーが張られているデザインの洗面化粧台もあります。小さいお子様がいらっしゃるご家庭には人気だったりしますが、いずれお子様が大きくなったらほとんど必要が無くなり、あまり役に立たないので個人的にはそこまでお勧めしていません。

どうせならお気に入りの柄のアクセントタイルなんかを張ってみても楽しいのではと、個人的には感じています。

洗面室で使うタオルについて  

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タオルリングのことを考えよう

洗面室で使う必須アイテムと言えばタオルですね。手を洗った後に拭くためのタオルをかけるタオルリングについても見落としがちですが考えておきましょう。洗面化粧台横の壁にタオルリングが取り付けられれば特に問題ありませんが、間取り上少し離れた位置にタオルリングを設けた場合、手を洗った後に床にぼとぼとと水が落ちてしまうので注意しましょう。洗面室の床材は耐水性のある塩ビシートが張られることがほとんどですが、やはり経年で徐々に汚れはついていきますので、長くきれいに使うためには少しでも配慮したいところですね。

タオルリングの大きさについても少し気を遣ってみましょう。小ぶりなデザインのものほどシンプルでオシャレな印象ですが、タオルを折りたたんでかけることになります。厳密に言うと、おらずにかけたほうが手を拭いた後の水気が乾きやすいので少しでも衛生的ですが、そのためにはある程度幅のあるデザインのものを選択する必要があります。見た目的に野暮ったくなるので好みが分かれるかもしれませんね。

また、タオルリングの表面仕上げについても確認しておきましょう。ツルツルとした鏡面仕上げと、細い線が無数に入ったヘアライン仕上げから選ぶことが多いです。鏡面仕上げの場合は触った時に指紋が付きやすく、こまめに拭いてあげる必要があります。触った後の汚れを目立たせたくないからヘアライン仕上げを選ぶ方が多いですが、逆に意識的に拭き掃除ができるから敢えて鏡面仕上げを選ばれる方もいらっしゃいます。見た目の好みと掃除に対するスタンスで選んでもらう感じですね。

その他、バスタオルもかけたい場合はある程度長さのあるタオルレールの設置も忘れず検討するようにしましょう。バスタオルは使った後すぐに洗濯かごの中に入れてしまうというライフスタイルの場合は特に必要無いかと思います。 

タオルでホテルライクな雰囲気を演出 

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タオルを使って気軽にオシャレでホテルライクな演出ができます。タオルは隠して収納することが多いですが、敢えて見せるようにすることでホテルっぽく演出できます。来客のときなんかにちょっといいかっこができますね。例えば下記のような感じです。一気にオシャレな雰囲気になりますね。 

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出典:「RALPH GERMANN」HPより 

    http://www.ralphgermann.ch/ 

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出典:「STUDIO ARTHUR CASAS」HPより

    https://www.arthurcasas.com/pt/ 

洗面室の窓 

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洗面室の窓についてもしっかり検討しておきましょう。そもそも、洗面室は窓が確保できる間取りになっているでしょうか。マンションでは、水回り空間に窓が無いことも多いですが、せっかく戸建住宅に住む以上、できれば窓のある爽やかで快適な洗面室にしたいものです。近年の住宅は法的に24時間換気の設置が義務付けられているので、常時家の中の空気はゆっくりと換気されている状態ではありますが、やはり直接窓を開けて風通しを確保できる方が理想的です。経年で壁紙が傷んでくるのも極力抑制することもできます。

窓の種類もいろいろとあるので、それぞれ開閉方式も異なってきます。例えば間取り上、洗濯機の奥に窓がくる場合などは手が届くか、窓の開け閉めはしやすいかなども要確認です。窓の種類や開閉方式については下記の記事において詳しくまとめておりますので合わせて参考にしてみてください↓↓ 

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また、洗面室の窓は防犯上弱点になりやすいことも多いです。こういった水廻りの部屋は敷地の奥の方に配置されることが多く、道路側から目立たない場所になりやすいです。さらに換気のために開けっ放しにされることも多く、侵入者にとっては狙いやすい窓と言えます。必要に応じて面格子などの防犯対策も検討するようにしましょう。面格子については下記の記事で詳しくご紹介しております↓↓ 

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洗面室の床  

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 出典:「CHRISTOFFERSEN&WEILING ARCHITECTS」HPより

     https://christoffersenweiling.com/ 

洗面室の床は何色にしますか?基本的に耐水性のある塩ビ製のもので床を仕上げることが多いですが、最近では本物の木や石と見間違うほどリアルに質感が再現されている材料もあるので、いろいろと柄を迷いながら選んでみるのも楽しいですね。他の部屋のフローリングに合わせて木調の塩ビシートにしてもいいですし、がらっと雰囲気を変えて明るい白系の石調の柄で爽やかさ、清潔感を演出してみるのもいいですね。

注意点としては白っぽい明るい色は髪の毛が落ちているのが目立ちやすいです。濃い色は高級感はありますが、ホコリ汚れが目立ちやすいです。いずれもこまめに掃除ができれば問題ないですが、中間ぐらいの色調が一番汚れは目立ちにくいかと思います。

また、洗面室の床には床下点検口があることが多いです。水廻りの床下には給排水のための配管が集中するため、メンテナンスのための点検口が必要になるためです。点検クレームが床色になじんでいるかという意匠的な配慮が欲しいところです。またこのフレームよって床面に凹凸が生じるので、洗面室にお手持ちで収納家具なんかを置く場合、位置によっては置きにくくなったりします。浴室入口に珪藻土マットを置きたい場合は、点検港のフレームの上に載せると割れてしまうので、配置に注意しておきましょう。

少し話はそれますが、浴室の入口と言えば、システムバスの扉の仕様を何にするかについても検討しておきましょう。折れ戸が標準仕様で、必要に応じてドアや引き戸に変更できる場合が多いですね。やはり開け閉めのしやすさ的には引き戸が多くの方に好まれる傾向がありますが、引き戸にするとどうしてもレールが出てきます。このレールがホコリだまりになって嫌がられることもよくあります。

そうなると折れ戸に比べて少しでも開けやすいドアを選ぶ場合もありますが、浴室内で万が一人が倒れた場合のことを考えると少し難ありといった感じです。ドアは浴室内に向かって開ける形になるので、倒れている要救助者と扉が干渉してしまう可能性があるのが注意点です。 

洗面室に置く洗濯機について

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洗面室に置く洗濯機のことについても考えましょう。まずは想定する洗濯機のサイズです。大きな洗濯機の場合は搬入上支障がないか要確認です。洗面室入口扉幅だけではなく、そこに至るまでの廊下が通ることができるか。特に2階の場合は階段部分がネックになることも多いので十分注意が必要です。事前に引っ越し業者さんにも確認してもらっておくのが一番安心です。

また、洗濯機は昔からある縦型のタイプなのか、最近ではかなり普及が進んできているドラム式洗濯機なのか。もし縦型であれば、洗濯機上部に収納が設けにくいという点も留意点ですね。洗濯機上部に乾燥機がある場合は窓の配置も注意しておきましょう。

洗濯機下部に設置する洗濯パンのことも確認しておきましょう。マンション暮らしが長い方にとっては洗濯機パンがあって当たり前かもしれませんが、戸建住宅の場合は特に要望しなければ洗濯パンはついてこないこともあります。洗濯機が2階設置の場合は洗濯機パンが付くけど、1階の場合はつかないということもあります。面が一の漏水に配慮して洗濯機パンを設けておきたいという場合は要望するようにしましょう。

洗濯にお湯を使用する方は、洗濯機用の接続水栓をお湯が利用できる仕様にしておくようにしましょう。当然お湯が使えるものと思っていたけどいざ住み始めて洗濯した時に水しか使えないということに初めて気づいたということが無いようにしっかり確認しておきましょう。また、お風呂の残り湯を使用される場合は洗濯機の配置を浴室よりにしておくとともに、浴室内の浴槽レイアウトにも注意しましょう。下記の記事を合わせて確認ください↓↓ 

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あとは、洗濯機のそばにちょっとした洗剤置き場があれば便利ですね。洗濯のたびに洗剤が少し離れたところにあると手間に感じてしまいますよね。  

まとめ 

いかがだったでしょうか。今回は洗面室の間取りを検討する上で、必要となる知識や注意点を総まとめさせていただきました。本記事の内容をしっかり確認することによって、理想的な洗面室を実現してくださいね。

その他、魅力的な洗面室のデザインについては下記のような記事も楽しくご覧いただけると思います↓↓ 

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これから家づくりを始められる方には下記のような記事もぜひおすすめです。家づくりの成功には事前の下準備が大切です。今の内からしっかりと備えておきましょう↓↓ 

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