家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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家づくりで無垢材を使うときに知っておくべきことのまとめ

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

天然の無垢材にこだわりをもって家づくりをしたいと考える方は結構多いと思います。最近では家の構造部材には集成材が使われることがほとんどですが、天然の無垢材にこだわりをもって家づくりをされたいという方も中にはいらっしゃいます。

今回は無垢材の木を使った家づくりをする上で知っておきたいことをまとめていきたいと思います。 

無垢材の魅力とは  

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出典:「RALPH GERMANN」HPより 

    http://www.ralphgermann.ch/

無垢木材のぬくもりや肌触りを居住空間に取り入れることができるのは魅力的ですね。無垢材の柱をむき出しにしたり、床フローリングを無垢材にしたりして、天然の無垢材のぬくもりや肌触りを演出したい方も多いと思います。

無垢材と集成材のどちらを使うべきか?

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しかし、無垢材の使用については注意点も多く、特に柱などの構造部材については近年では集成材が使われることがほとんどです。集成材は数センチの厚みにスライスした部材を接着剤で一体化して作られる材料です。木材は天然の材料なので、個体差があり一つ一つ見た目や性能にばらつきがあるのが前提となるのですが、集成材にすることによって部材のばらつきを抑え、安定した品質を確保することができるというメリットがあります。

このように性能的には集成材のほうが安定していて優れていると考えられることが多く、近年ではほとんどの場合構造部材には集成材が用いられています。しかし、集成材自体は比較的歴史が新しい材料です。例えば接着剤が永年的に問題なく性能が維持されているという実績が十分に無いという点を心配に感じる方も中にはいらっしゃいます。

また、なるべく化学物質の使用を少なくしたいという健康面の配慮から無垢材にこだわりたいという方も中にはいらっしゃいます。 

このように、特に深く考えることが無ければ自ずと集成材となることがほとんどだと思いますが、材料の特性を考えた上で無垢材にするのか、集成材にするのかということもできればおさえておきたいですね。

無垢材を使う際の注意点は?

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一方で、やはり無垢材で家づくりをするときにいくつか知っておきたい注意点もあります。あとで「そんなこと知らなかった」みたいな感じにならないようにしっかりと無垢材の特徴を押さえておきましょう。以下にまとめていきます。

無垢材の節には注意が必要

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木材には節があります。集成材の場合、基本的に節のが極力ない部材を接着することで構造性能を改善しつつ、安定した部材品質を確保することができます。一方で、無垢材の場合は構造性能に悪影響が及ばない範囲内で一定の基準に基づいて部材選定が行われていますが、集成材に比べるとかなりの個数で節が点在することになります。自然のものなので、節の大きさや見た目や個数にはばらつきがあります。

特に注意が必要なのは柱を意匠的に露出させてデザインするような場合などです。節の見た目はものによってばらつきもありますし、人によってどのように感じるかも個人差があります。あえて節があった方が荒々しくてカッコいいと感じる方もいれば、節が多すぎると嫌がられるという場合もあります。もし節の見た目が好みに合わないということであれば、節が無い(少ないい)材料を指定する必要があります。ただし、節の少なさによって材料のグレードが分かれていて、これによってコストアップの度合いも変わってきますので事前に確認が必要です。

以上を踏まえて、無垢材の節についての注意点をまとめると下記のような感じです。

●基本的に無垢材には節があって
●節の見た目は安定しない
●無垢材にしたいけど節は無くしたい場合は、節の無い(少ない)材料を選定する必要がある。(ただし費用がかかる。)

無垢材は変形する①―膨張・収縮 

木材は空気中の水分を吸収したり、放出したりします。湿度の高い梅雨や夏場には水分を吸収し、乾燥した冬場には水分を放出するといったように、まさに呼吸しているのです。この吸放出によって、木は膨張したり、収縮したりします。つまり、季節や天候によってわずかに変形を繰り返しています。加湿器などの使用状況によっても変形の程度は変わってくることもあります。

例えば、床フローリングの場合は乾燥によって収縮した際にフローリング材とフローリング材の間の目地部分の隙間が、季節によって大きく空いてくるという変化がみられることがあります。このようなスキマにホコリが溜まりやすく、掃除が行き届きにくくなるといったこともあります。

無垢材は変形する②―ひび割れ・反り 

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そして、特にこの変形の度合いは無垢材の場合著しく、場合によっては割れや反りが生じるということもあります。柱が割れたり反ったりすると言われると不安に感じるかもしれません。しかし、このような変形が構造性能上悪影響にならない範囲にとどまるように一定の基準を満たした材料だけを使用するようにされているはずです。

この変形が原因で家が倒壊するというようなことは考えにくいですが、少なくともこのような部材の割れ・反りが生じる可能性があるという点については、無垢材の材料特性として把握しておきましょう。

また、もし無垢材の柱をデザイン上、目に見える部分に使われる場合は割れなどの変形が将来的に美観に影響を与える可能性があるということにも注意しておきましょう。水分の吸放出による変形を繰り返すことによって、時間が経てば経つほど経年変化によるひび割れや反りは生じやすいと言えます。

無垢材の音鳴りが気になるかもしれない

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無垢材の柱は前述のような変形を生じる際に、ぴきぴきっと音が鳴る場合があります。特にみんなが寝静まった深夜の時間帯などに、このようなひび割れ音が生じた場合、不安に感じたり、不気味に感じてしまったりする方もいらっしゃるかもしれません。

また、無垢材の床フローリングの場合は膨張によって、板どうしがこすれてしまい音鳴りの原因となることがあります。歩いたときにきしむ床はこの膨張に起因することも多いのです。 音に敏感に反応してしまうという方は、もしかするとストレスに感じてしますかもしれませんので注意が必要かもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は家づくりにおいて無垢材を積極的に取り入れたい場合の注意点をまとめました。床を無垢材にしてみたり、構造部材を露出させたデザインなど、天然の無垢材を使った家は意匠的にも魅力的ですし、健康面でも安心という方も多くいらっしゃいます。

しかし一方で、本記事でまとめたように無垢材には注意点も多いです。無垢材の材料特性を十分に理解し、注意点をしっかりと把握した上で採用するようにしましょう。

なお、無垢フローリング床に関しては下記のような記事も参考になりますので、ぜひご参照ください↓↓ 

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また、これから家づくりを始められる方には下記のような記事もぜひおすすめです。家づくりの成功には事前の下準備が大切です。今の内からしっかりと備えておきましょう↓↓ 

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