リビングを広く開放的に見せるテクニックまとめ
リビングが広くてゆったりとしているととても魅力的ですよね。
こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。
家の中でリビングは最も大きなスペースとなる場所です。家族みんなが集まる場所であり、くつろぎ・団らん・食事・読書・勉強・・・など、様々なアクティビティが想定される部屋でもあるので、物理的に広さが求められるのですが、スペースにはどうしても限りがあります。
今回は限られたスペースの中で、リビングをちょっとでも広く見せるための工夫をまとめていきたいと思います。中には、取り入れやすいアイデアもありますので、お部屋に窮屈感ゆえストレスを感じていたり、少しでも広さ感を創出して開放感のある暮らしを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
広さの感じられる快適なリビングを追求したい人は必見です。
視線の「抜け」をつくる
出典:「Pitch Architecture+Developments」HPより
例えば、リビングとダイニングは間仕切壁で区切らず、対面キッチンは吊戸棚を設けないで、ダイニングとのつながりをしっかりと持たせてあげれば、リビング・ダイニング・キッチンがひとつながりの空間となり、奥行き方向に視線の抜けが生まれて広さが感じられます。しっかり抜けた視線を確保しつつ、動線も一直線に抜けていて、その先に窓などの開口部があれば理想的です。窓は、上記の事例のように壁面めいいっぱい、高さも天井レベルまでめいいっぱいに確保することができれば理想的ですね。フローリングの板の向きも開口部へ導く向きにしておけばさらに奥行き感が増していきます。奥へ伸びていく直線の表現は、空間に奥行き感を与えるのに非常に効果的です。
出典:「ARRCC」HPより
また、こちらの事例のように部分的に天井高さを高くするような折り上げ天井も、空間に開放感を生み出すうえではとても効果的です。折り上がった天井面の部分を木調にしてみたりしてテクスチャを切り替えるのも面白いですね。
さらに、もし吹き抜けを設けることができるのであれば、今度はタテ方向に視線の抜けが生まれて広さが感じられるようになります。
リビングを広く見せることができる家具の選択・配置
リビングを広く見せるためには、配置する家具の種類にも十分配慮しましょう。
家具についても同様に視線が抜けるようになるべく背の低いものを選ぶことが大事です。例えばソファは背もたれが低いものを選んで、視線を遮ることなく開口部へ導くことができれば空間に広がりが生まれます。椅子の背もたれなども視線が抜けるようなデザインのものを選定できれば広さ感を求めるうえでは効果的です。
空間のわりに家具が大きすぎたり、背が高すぎる家具を置いてしまうと、視線を遮ることになってしまい、さらには動線を塞いでしまうことにもなるため、注意が必要です。広さ感が失われるとともに、使い勝手も悪くなる可能性があります。
家具選定の際は、実際のサイズの確認を十分行いつつ、背が低く水平性が強調されるようなものを選択できればいいですね。また、極力床面を見せるようにすることもポイントです。たとえば、物や荷物が散らかっていると部屋に窮屈さを感じてしまうはずです。これは、床面が見えなくなっていることが視覚的に「狭さ」を感じさせているのが原因です。家具についてもこれと同じ考え方で、大きすぎず、かつ、床面がなるべく見えるような、脚が空いていてすっきりとしたものを選ぶと広さ感の創出につながります。
ちなみにあくまでも目安ですが、床面が家具で覆われている面積は部屋全体の面積の30%程度が落ち着きやすいといわれています。
明るい色によるカラーコーディネート
出典:「ARRCC」HPより
インテリアの色の選択も、広さの感覚に影響してきます。基本的には膨張色(他の色より視覚的に膨らんで見える色のこと)として代表的な白色をベースにするのが効果的です。また、白をベースとしつつ、例えばある一面の壁をアクセントウォールとして、違う色のクロスとする場合、後退色(視覚的に後ろに下がって、遠くに見える色)の青や緑を選択すれば、よりいっそう奥行き感を生み出すことができます。柄は極力無地に近いものが望ましいですが、ボーダー柄などは部屋を横長に見せる効果があるといわれています。
出典:「Mittelman Amsellem Architects」HPより
こちらは、壁、天井、キッチンを徹底的に白で統一しつつ、床、階段、家具の木調部分は明るいナチュラルカラーで統一しています。壁と床の取り合い部分の巾木も白色とすることによって、壁と一体的に表現してすっきりと見せています。
階段に沿って設けた吹抜けから差し込む光が空間にいっそう広さ感を与えており非常に爽やかなリビングを演出しています。
カーテンを工夫してみる
出典:「ROBESON ARCHITECTS」HPより
カーテンの見え方が空間に与える影響は大きいです。カーテンは窓枠上端に設けたカーテンレールに取り付けることが多いですが、天井にカーテンボックスを設けて取り付けると空間に開放感が生まれてきます。
天井よりも高いレベルにカーテンの取り付け部分隠れてくれるので、見た目的にもすっきりします。 窓周りがすっきりと見えることで、自ずと狭い空間にも広さ感が生まれてきます。
収納をしっかり確保することもたいせつ
出典:「STANTON WILLIAMS」HPより
特に狭い部屋の場合、高さ方向で効率よく収納を確保しようとし、背の高い収納家具を設置してしまうことがありますが、これは圧迫感の原因となりやすいです。くつろぎの場所に圧迫感を生み出さないためにも別の場所でまとめてしっかりと収納を確保するという選択肢も検討しましょう。
リビングにものが散らからないように、しっかりと収納を確保するのもやはり重要ですね。生活感が漂ってしまうのを防ぎながらしっかりと広さ感を確保していきましょう。
その他
少し大きめの鏡を設置するのも効果的です。できればそこに窓や外の景色、照明や、インテリアグリーンなどが映り込むようなレイアウトができれば理想的です。部屋の奥行き感、解放感、明るさを倍増させる効果があります。
その他、フェイク窓(フェイクウインドウ)を壁に設けるのも効果的かもしれません。
あくまで偽物ではありますが、中には空間にちょっとした開放感を与えるようなデザインのものもあるので、いろいろ探してみるのも楽しそうですね。
以上が部屋を大きく見せるための工夫のまとめでした。ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。
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