ロフトのある家づくり―メリットとデメリットは?
ロフトがある家づくりに一度は憧れを持った方も多いと思います。面白い空間を生み出しやすそう、スペースの有効活用ができそうといったイメージが強いロフトについて今回はまとめていきたいと思います。
■ロフトのある家づくりを検討している
■ロフトのある家づくりのメリットとデメリットが知りたい
■ロフトを作って後で後悔しないか心配
上記のような方はぜひ一度お読みいただけると参考になると思います。
ロフトのある家づくりのメリット
まずはロフトのある家づくりのメリットを見ていきましょう。以下にまとめていきますね。
ロフトはスペースを有効活用することができる
本来使われることの無い屋根裏のような空間が、収納や寝室として利用することができるようになるので、スペースの有効活用という観点でメリットがあると言えます。本当であればもっと建物を大きくしたいのに、敷地が狭小であることからスペースが確保できないといった場合に有効な選択肢になるかもしれません。
ロフトは空間に広さ感を与えることができる
例えばリビングに隣接してロフトを計画する場合、ロフトとリビングに一体感が生まれ、空間に広さ感が生まれます。勾配天井にすることで高さ方向の開放感が生まれ、天井が一体となることで視線の抜けが生まれるので、より空間を広く感じることができます。
勾配天井の魅力やメリット・デメリットについては下記の記事も合わせてご覧ください↓↓
ロフト特有の秘密基地感
ロフトには独特の、いわゆる隠れ家あるいは秘密基地的な魅力があります。工夫やアイデア次第で楽しい空間にすることができますし、趣味や遊びの空間、子供にとっても魅力的な場所に作り込むことができます。
ロフトは2階リビングとの相性が良い
ロフトの用途は寝室、収納、趣味部屋、書斎など様々ですが、もしロフトを計画するのであれば個人的にはリビングに隣接したロフトが効果的であると考えています。寝室にロフトを設ける場合、結局はモノを出し入れしにくい物置になってしまうことが多いように感じます。一方でリビングロフトの場合は、家族とのつながりを保ちながら自分の時間を確保することができる場所として有効活用ができることが多いです。
キッチンで家事をしている、リビングでくつろいでいる、ロフトでお子様が遊びや勉強、趣味みたいな感じで、一つの大きな空間で複数のアクティビティが共存可能な手法としてリビングロフトは有効であると言えます。
出典:「Mackay-Lyons Sweetapple Architects」HPより
リビングロフトを計画するにはリビングで勾配天井を確保する必要があることから、2階にリビングを配置するのが計画しやすいと言えます。例えば勾配天井にうまく木調をとりいれるとより魅力的なロフト空間が生まれそうです。2階リビングや勾配天井を検討される場合は下記の記事も合わせてお読みください↓↓
ロフトのある家づくりのデメリット
ロフトは天井が低い
出典:「PM-ARQUITECTOS」HPより
基本的にロフトは天井高さが1.4m以下で計画される場合がほとんどです。天井高さが1.4mを超えてしまうと、階数に算入されてしまいます。つまり、2階建てで計画していた建物のロフト部分の天井高さが1.4mを超えると、3階建ての建物として扱われることになります。そして、3階建てになると法規制が厳しくなり、費用が大幅に上がってしまうのです。
こうした理由から、基本的にロフトは天井高さが1.4m以下となります。また、屋根形状によって外壁に近づくほどさらに天井高さが下がっていく場合が多いです。一番天井高さが低いところで1m以下になることも多く、普通に立って歩いて移動するのは困難でしょう。中腰、場合によっては這いつくばって動くような空間になることも多いです。
ロフトは暑くなりやすい
温かい空気は上昇気流によって部屋の上の方上がっていきます。また、ロフトは屋根に近い部分になるので夏場は熱がこもって温度が上昇し暑くなりやすい傾向があります。特に、断熱性能のスペックが低い住宅会社の場合は、ロフトが夏に蒸し暑くて過酷な場所になってしまう可能性が高いです。ロフトを検討する場合は断熱材の仕様が優れているかどうか確認してみましょう。
あるいはサーキュレーターや扇風機を補助的に用いることで改善を図りましょう。
ロフトを作るためのコスト
ロフトは屋根裏のような空間なので、それほどコストがかからずに簡単にスペースが有効活用できる手法である思われることが多いのですが、実際はそこそこ費用がかかってきます。ロフトの面積分だけ新たに床やそのための下地も必要ですし、勾配天井になったり、上るための階段やハシゴが必要であったり。結局のところ、もし敷地に余裕があるのであれば、建物を広げてしまった方が同じぐらいの費用で使いやすい適正な空間が確保できるという場合も多いと思います。もし、敷地に余裕がある場合はロフトを考える前に、建物を広げるという選択肢を検討した方が良いかもしれません。
敢えて費用をかけるなら、暑くて天井が低くて上り下りが大変な過酷な空間を作るよりかは、いっそ建物を大きくして使い勝手の良い適正な空間を確保した方がいいと判断される方が多いように感じます。
ロフトの上り下りは結構大きなデメリット
ロフトには当然のことながら上り下りが必要になります。ハシゴによる上り下りが多いと思いますが、階段に比べると結構体力を使いますし転落のリスクも高まります。ロフトを寝室として使うので毎日上り下りする必要がある場合は特に注意したいです。寝起きや酔っているときなどは特に注意が必要です。ロフト寝室の布団を干すのもなかなか大変そうです。
また、若いうちは気にならないという方も多いかもしれませんが、何十年先もこのロフトを何不自由なく使うことができているかと言われるとなかなか難しいかもしれません。収納として利用するにしても荷物を上げ下げするのもなかなか大変です。スペースを有効活用したつもりが、結果的に利用することの無いデッドスペースになるかもしれません。
ハシゴではなく階段を設けることによって上り下りしやすくするという選択肢もありますが、結局そのために面積が必要になってしまいますね。
ロフトの空間は掃除が大変かもしれない
掃除機をロフトに持って上がって、天井高の低い空間をかがみながら毎日掃除するのは大変です。かといって掃除をさぼってしまうと、リビングに隣接した広大なホコリだまりの空間となってしまうかもしれません。掃除の面ではそれなりの覚悟が必要になりそうです。
ロフトは結局オススメか?
魅力も多いロフトですが、デメリットに目を向けると実際にロフトを設けるとなればそれなりの覚悟が必要になると考えています。高い位置にアクセス・メンテナンスのしにくい場所をわざわざ費用をかけて計画するよりも、まずは平面的に使いやすい場所の確保することから検討した方が良いと個人的には考えています。
実際に、ロフトを希望される方のほとんどがメリットとデメリットを整理して冷静に検討した結果、ロフトは中止になってしまうことの方が多いように感じます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はロフトのある家づくりのメリットとデメリットをご紹介させていただきました。家族のコミュニケーションという観点から魅力的な空間を生み出す手法としてロフトは有効ですが、上り下りの大変さや費用面などのデメリットを把握した上で検討したいですね。
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