家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

いい家づくりに必要な知識やノウハウが詰まったガイドブック的なブログを目指します。

【設計者の本音】お客さんと打ち合わせしていてうれしかったこと

 

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

あまりテクニカルな話ではなく、日記的な内容になるかもしれませんが、家の設計という仕事をする中で感じたことを少し書いてみようと思いました。  

今回は、お客様との打ち合わせのときに、うれしいと感じたことを書きます。

とても楽しそう 

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打ち合わせをしていて、お客さんに対してとても感心してしまいうれしい気持ちになったことがあります。

その方はとてもマメな性格の印象でした。要望事項は関連のある項目ごとに構成された箇条書きで必要に応じて図や写真が挿入された資料を作成されていて。

特に驚いたのが、そのお客様がお持ちだったスクラップブックでした。A5サイズぐらいの大きさで少し分厚いめ、キレイだけど少し使い古した感のある味のある雰囲気のノートブックにいろいろと貼り付けて作ったようなスクラップブックでした。

日々いろいろな家づくり情報をリサーチしながら気になった情報や、お気に入りの外観・内観デザイン等、ネットのプリントアウトや、雑誌やカタログの切り抜きが、たくさん貼り付けられていて。

ところどころに感じたことや、こんな感じにしたい、これはあまり好きではない、みたいなメモ書きもたくさんされていて、その一冊がまるですでに一つの作品のようにすら思えてしまいました。

マメで丁寧というだけではなく、そういったものをまとめてご自身の好みや要望をまとめる作業そのものをとても楽しんでいて生き生きしているように見えました。本当に家づくりを楽しんでおられることが伝わってきて、こちらまでとても楽しくてうれしい気持ちになってしまいました。 

とにかくいっぱい要望したほうがいい

 

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【結論】とにかくたくさん要望はしていただいた方が絶対いい 

 

これにつきます。

当然設計者側から聞き取りの上、効果的に要望事項を引き出すのが前提ですが、思っている願望をどんどん話しておくべきです。内容が整理されている方が、もちろん設計者側からすると助かりますが、お客様の数あるたくさんの要望の優先順位を整理したり、本当に必要なこと・実は必要ないものを見極めてプランに反映していくことも設計者の仕事です。

中には当然相反する・矛盾するような要望内容もあると思います。例えば、「開放的なリビング空間にしたいけど、外部からの視線を遮ってプライバシーに配慮された空間にしたい」とか「とにかく広い空間にしてほしいけど、費用を抑えたいので面積を最小限にしてほしい」みたいな感じです。

矛盾していてもいいのでぜひ言っていただいた方がいいです。相反する要望事項に対して、どちらを優先するのが良いか、どのように落としどころを探るか、あるいは何かいい案が無いか、そういったことを模索しながら最善のプランを検討するのも我々の仕事ですので。 

要望の仕方はどんな手法でもいいと思います。口頭で思っていることをひたすらぶちまけてもらってもいいと思いますし、上記の方のようにご自身で資料や箇条書きにまとめたり(これは結構エネルギーがいると思います)、人によっては間取りのゾーニングスケッチを描かれていたり、ご自身で間取りを書かれるような方もいらっしゃいます。

最近ではinnsutagurmなどのSNSも普及しているので、家の写真などたくさん目にすることができますよね。気に入った画像なんかを保存しておくとイメージを伝えやすくて効果的だと思います。実際に、SNSの画像で要望のイメージを伝えてくれる方、結構増えてきています。

どのように設計者に要望を伝えようか迷われている方は、構え過ぎずに、気軽にどんな方法でもいいので、ご自身にあった伝え方をしてみてください。

無関心なのはもったいない

 

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【注意】無関心なのはNG

 

仕事なので設計は設計者がやるのは当然ですが、設計者まかせになり過ぎな姿勢は避けたほうがいいです。後々の後悔につながる大きな原因になります。

よくあるのが、「どちらでもいいです」「どれでもいいです」「おまかせで結構です」というようなスタンス。ご夫婦のどちらかがほとんど議論に参加しないようなケース。

住む人の声が反映されることなく、家ができあがってしまうことを想像するととても危険ですね。大金を支払う大きな買い物なのにとても勿体の無いことです。

ぜひ思っておられる要望をどんど声に出して伝えてみてください。 

まとめ

「設計者と施主は共同事業者だ」と言う人がいました。もちろんお客様なので、共同事業者だなんて言ってしまうと怒られてしまいますね。しかし、お互いにいいものをつくるという最終目的地は同じです。そういった意味では確かに「共同事業者」という考え方は何となくしっくりくるような気がします。

お互いにモチベーションを高めあいながら、より良い家をつくることを目指していけるというのが、とても理想的なあり方なのではないかと思っています。