家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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和室の大きさと使い方について

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和室独特の落ち着きのあるゆったりとした時間の流れが大好きです。

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

最近の住宅においては和室の姿が徐々に減りつつあり印象がありますが、一方で家族のだんらんの場所、客間、お昼寝など、用途を限定せずに気軽に使いやすいという利点から、最近では再度注目されつつもあります。

ごろんと気軽に寝転がることのできる空間はやはり魅力的なものですよね。

そんな和室の用途について、部屋のサイズに応じてどのような使い方ができるのかという観点で考えていきたいと思います。和室を作るかどうか、どのような使い方をしたらいいのかで悩んでいる方は、ぜひご参照いただけるとうれしいです。 

各サイズの和室の使い方

まずサイズごとに例えばどのような使い方が考えられるかをまとめていきたいと思います。 

2畳:最小限の畳コーナーになります。部屋として壁で囲んで和室として使うには無理があるので、あくまで「部屋」ではなく、リビングの一角に設ける「畳コーナー」です。しかしスペース的には大人一人が昼寝するには少し窮屈なので、子供の昼寝スペースといった感じです。あるいは、和室としては利用できなくてもいいので、少しでも畳の存在を感じたい、ちょっと腰掛けて休憩するスペース程度でいい、みたいな場合にはアリですね。 

3畳:この広さがあれば、大人一人がやっと昼寝ができそうです。小さい座卓を置いて人が対面して座ることができるので、来客やお茶の時間に使えそうです。人が一人寝られるということは、お客様がお泊りができる最小限のスペースとしても有効ですね。

3~4畳+板間:個室として成立する最小限のスペースです。2人程度であればなんとか寝られそうです。もちろん畳コーナーとしても使い勝手が良さそうです。 

4.5畳:二人用の寝室として使いやすいです。大人数でなければ手軽な客間としても使いやすく、数人で座卓を囲んでお茶が楽しめますね。 

6~8畳:来客が多かったり、法事がある場合はこのぐらいの規模が理想的です。6畳でやっと一人前の和室で最も扱いやすい広さ、8畳あればかなり余裕のある和室で3~4人用の寝室として使ったり、格式ある座敷としてしつらえることもできるといった感じですね。 

上記より各サイズごとの用途のイメージがわきやすいと思います。 

独立した和室?畳コーナー?

あとは、和室として独立した個室にするのと、リビングに隣接させて畳コーナー的に使うのとどちらにするかについてですが、前者の場合は来客がない普段は死に部屋になって使いにくくなる可能性もあります。

一方で、リビング隣接型の畳コーナーの場合は、建具で区切れるようにしておけば、来客時はゲストの宿泊スペースとして、普段は住む人の休憩場所として、という具合に、ON/OFFのメリハリの利いた使い方ができます。

その他にも、畳コーナー部分の床レベルを少し上げる、つまりは小上がりにしておくことによって、畳コーナーに腰掛けた人が、ソファに座っている人と目線が合わせやすくて楽しいコミュニケーションが生まれやすい空間にすることができたり、小上がりの床下に引き出し状の収納スペースを設けることができたりと、メリットも多いです。可動式の畳ボックスを使って簡単に畳コーナーを作るという手法もあります。 

なお、リビング隣接の場合、リビングの壁が減ってしまうので、家具の置き場所が苦しくなってくることもあります。リビングと畳コーナー間の壁を腰壁にする、開口幅を大きくしすぎないなどの工夫も必要になってきます。 

まとめ

以上、和室の使い方についてサイズ感も交えながらまとめてみました。特に畳コーナーを設けるというのは最近ではわりと定番になってきており、魅力的なリビング空間を生み出す手法としても人気なので、ぜひご検討いただければと思います。