家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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玄関にシューズクロークを設けるメリット・ポイントまとめ

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シューズクロークを玄関に設けてみるのはいかがですか?

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

今回は玄関に設けるシューズクロークについて考えていきたいと思います。

下駄箱がひとつ設けられているだけよりも、玄関先にまとまった収納スペースがあるというのは収納の幅も広がり非常に便利になります。

シューズクロークはどのような使い方ができるのかなどのメリット、計画する際のポイント・注意点などをまとめていきたいと思います。

玄関廻りの収納スペースに悩まれている方、シューズクロークを検討中の方は特にご参照いただけるとうれしいです。 

シューズクロークとは?

そもそもシューズクロークとは、玄関先に設けられ、土足で入ることができる収納スペースです。その名の通り主に靴を収納するということからシューズクロークと呼ばれていますが、玄関先に設けられ、かつ、靴以外にもいろいろなものを置けたりするので、用途を靴に限定せずに「エントランスクローク」などと呼ばれたりもします。 

どんなものが収納できる?

 

靴以外のモノも収納可能とのことで、例えばどんなものが置けるのか、あるいはどんな使い方ができるのかを以下にずらっと書いてみます。 

●こども関連

ベビーカー、三輪車、部活用品の置き場所として 

●レジャー、スポーツ関連

ゴルフバッグ、スノーボードなどのように比較的場所をとる大物のレジャー用品などの置き場所として。また、土足のまま入ることができる収納空間なので、土が付いたようなアイテムでも保管することができます。ほかにも園芸用品や外構のお掃除用品なども置けますね。 

●帰ってきたときに玄関先ですぐにコートや帽子が脱げる、来客時にゲストの上着や荷物などもスマートに預かることができる。傘の置き場所としても利用可。 

●中に入れば収納を一度に見渡すことができるので、ほしい靴を見つけやすい、モノの管理がしやすい。 

●防災用品などは日ごろ使わないものですが、いざというときに玄関近くに保管できれば安心ですね。飲料系のストックの置き場所としても便利です。 

●ネット通販をよく利用される方は、段ボールなどのかさばりやすいゴミの仮置き場所としても便利です。ゴミを出す日まで玄関先に段ボールの束が転がっているのは視覚的にも気になりますよね。急な来客時などにも焦らずに済みます。その他にも新聞紙などの資源系のごみの仮置きにも使えますね。 

●玄関廻りが散らかりにくく、すっきりさせやすいので、見せる玄関として演出しやすく、来客時に常にきれいな状態を保ちやすい。 

ざっと挙げただけでも上記のような使い方ができます。いろいろなものが置けたり、便利な使い方ができるので、あてはまる使い方があればぜひシューズクロークの採用を検討してみてはいかがでしょうか。 

シューズクローク計画時の注意点・ポイント

玄関廻りで幅広い活躍が期待できるシューズクロークですが、実際に計画する際はいくつか注意が必要な点もあります。残念なシューズクロークになってしまわないためにもしっかりポイントを押さえた上で計画してください。 

様々なものを収納できる柔軟性のあるシューズクロークですが、何でもかんでも無計画に詰め込んでしまうような収納をしてしまうと、かえってモノが溢れかえってしまったり、中が狭くなったり、最悪の場合、入れない空間になってしまい、ただの「物置」になってしまうことがしばしばあります。

つまり、それなりのスペースが必要だという現実を忘れてはいけません。玄関廻りがもともとスペースが苦しいのに、無理やり小さなシューズクロークを設けてしまうことによって、玄関そのものが狭くて使いづらくなってしまいます。しかも、シューズクロークにも十分な面積が確保できていないので、上記のようにモノが溢れかえってしまうという現象も生じてしまいます。

目安としては、玄関とシューズクロークで1坪ずつぐらい、まずはこれが一つの目安だと思ってください。 

中を通り抜けることができるタイプのウォークスルーシューズクロークにすれば、玄関の動線に回遊性が生まれてさらに使い勝手が良くなります。しかし、この場合は収納力が若干低下するのでさらに面積が必要になることが多いので注意が必要です。 

見落としがちなのが湿気です。玄関収納は湿気がこもりやすいです。濡れた靴、傘、雨具等、水分を含んだものを置くことが多く、汚れもつきやすいことから、湿気やニオイ・カビが発生しやすい空間と言えます。 

できれば窓を設けてあげるようにしましょう。これによって窓周りの収納力は低下してしまうかもしれませんが、外気を取り入れることができるように計画した方がやはり衛生的です。窓部分は棚が設けにくくなりますが、例えば窓の下部にベビーカーを置くなど、運用の仕方で工夫を行うようにしましょう。 

そして、シューズクロークの出入り口は引き戸にしておくのが望ましいです。開き戸だと開けたときに床に置いてある靴と扉が当たってしまって結構煩わしいです。
引き戸であれば、来客時以外は扉を開けっ放しにしておくこともできるので、クローク内部に湿気がこもるのを抑制することができます。引き戸にしておけば、荷物が多いときも扉の開閉がしやすいというメリットもあるので一石二鳥ですね。むしろ扉無しにしておくという選択肢もありますが、収納空間が来客時に丸見えになってしまうのはイマイチですし、ロールスクリーンで隠せるようにしておくというパターンもありますが、見た目的にオススメできません。 

季節によっては特に湿気が深刻になってくることもあるので、必要に応じて乾燥機や除湿器を併用できるようにしておけばより安心ですね。そのためにも、シューズクローゼット内のコンセントを忘れず設けておくようにしてくださいね。 

シューズクロークを設けることによって、間取り上玄関廻りに窓が確保しにくくなることが多いです。これによって玄関・ホールの空間の採光が確保できずに薄暗くなってしまうので注意しましょう。玄関扉をガラス窓付きのもので選定するなどで必要に応じてケアしましょう。 

シューズクロークは土足の空間なので、砂やホコリなどの汚れが入ってきやすいです。床タイルの色によっては砂による汚れが目立ちやすいので注意したいです。特に白や黒は、砂汚れが目立ちやすいので、グレー、ベージュ、アースカラー系が汚れの目立ちにくさとしてはオススメです。

3.まとめ 

様々な使い方ができるシューズクロークですが、あくまで十分な広さを確保することができるという条件が必要であるという点に注意が必要ですね。中途半端なサイズのシューズクロークを無理やり作るくらいなら、下足箱だけにして広い玄関空間を優先した方がはるかに使いやすく快適な空間になる場合もあるので、十分に検討した上で採否を検討しましょう。

その他にも、窓や出入り口、湿気や汚れなど、様々な注意点があるので、見落とすことの無いようにしましょう。