間取りでよくある失敗ポイント総まとめ【後悔したくない】
こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。
一生に一度の買い物、人生で最も高い買い物などと言われる家づくり、誰もが絶対に失敗したくないと考えますよね。しかし、実際には大小さまざまではありますが、失敗してしまったと後悔される場合もしばしばあるのが現実です。特に間取りの失敗で、後々の生活に不便が生じるというのは避けたいですね。
当然、間取り図面はきちんと確認・チェックされているとは思いますが、ただ図面を眺めているだけではなかなか見えてこないことも多く、見えてこない部分に問題点は潜んでいることが多いものです。
今回の記事は、家づくりをしていて下記のように思っている方にぜひ読んでほしいと思っています。
■間取りでどのような失敗がよくあるのか知りたい。
■よくある失敗例を把握しておくことで、失敗を未然に防ぎたい。
■あとで後悔したくない。
よくある失敗ポイントに触れながら注意すべき点をまとめていきたいと思いますのでぜひご一読ください。
部屋の広さ
よくあるのが思ったより空間が狭いといったもの。リビングが思っていたよりも狭くて残念ということもありますが、逆にリビングを広くしすぎて他の部屋や収納・玄関が小さくなってしまったという後悔の声もたまにあります。各部屋の規模感のバランスも大事ですね。
限られたスペースの中でリビングを広く見せる工夫については下記の記事でまとめていますので参考にご覧いただければうれしいです↓↓
また、キッチンが狭くて作業がしにくいというパターンもあります。複数人での作業が想定されるのであれば、キッチン形式も合わせて確認しておきたいですね↓↓
バルコニーに関しても広さの後悔が多いところです。奥行きが足りなくて日々の物干しが不便になってしまうと大きなストレスになってしまいます。バルコニー計画のポイントについては下記の記事にてご説明しております↓↓
このようなスペースの問題について注意すべきなのは家の中だけではありません。駐車スペースが思ったよりも狭くて車の出し入れがしにくい、駐輪スペースのことを考えていなくて自転車が停められないといったことも良くあります。
間取りと並行して外構まわりの必要スペースについても考えておくようにしましょう。
窓
窓もよく失敗が生じるポイントです。窓の失敗の特徴としては下記のような項目があります。
■居住性
■プライバシー
■開閉のしやすさ
それでは順に見ていきましょう。
居住性
明るさや暑さ寒さ、風通しに関する失敗です。
明るさについては「ここにも窓を付けておけばよかった」というような後悔が多いですね。単純に開口面積の不足から部屋の明るさが不足してしまうパターンです。バランスよく、南側をメインに窓を設けていって十分な明るさを確保するようにしましょう。
一方で、窓を増やすということは温熱環境の観点では家の弱点を増やすということにつながります。開口を増やしすぎれば、夏はどんどん熱が室内に入ってきてしまう、冬はどんどん冷気が入ってくるということです。
これを抑制するには、やはり南面に窓を設けるということが有効です。南側からの光の入り方の特徴としては、
夏:太陽高度が高い⇒部屋に差し込む光が少ない⇒部屋が暑くなりにくい
冬:太陽高度が低い⇒部屋に光が十分差し込む⇒部屋に寒くなりにくい
という感じです。明るさだけではなく、温熱環境的にも南側の窓は合理的と言えます。
逆に、東西面からの日射は低い角度で部屋の中に差し込んでくるので、室内環境への影響がかなり大きいです。西側の窓が大きすぎて、西日で部屋が暑すぎるといったこともよくあります。カーテンやブラインドで調整することも可能ですが、できれば西側に樹木を1本植えてあげると効果的です。部屋に差し込んでくる前の日射をある程度遮って和らげてくれます。
それと、窓は南側メインでと前述しましたが、トップライトの場合は南側以外の方角に設けましょう。上からの日射になるので南面のトップライトからはかなり積極的に日射が差し込んでくるので部屋の中がかなり暑くなるという失敗につながってしまいます。空調のランニングコストにも影響してきそうです。
風通しに関しては、例えば角部屋の場合では2つの面の壁ができると思いますが、それぞれの面に窓が1か所以上ずつあった方が、しっかりと風通しを確保できます。
また、洗面室などの水廻りもなるべく窓は確保しておきたいですね。水廻りの使い方にもよりますが、湿気がこもり過ぎて壁のクロスがカビやシワで傷んだりということも生じる場合があります。
プライバシー
明るさや眺望の確保のために窓を設けたけれど、逆に外からも丸見えで恥ずかしい・気まずいといった失敗は結構多いです。
・庭側に窓を設けたが、お隣の家からの視線が気になる。
・寝室の窓、道路向かいの2階のバルコニーから視線が気になる。
・人通りの多い前面道路からの視線が気になる。
隣接する建物の窓の位置や、周辺の人通りなどに関しては現地で十分に確認しておくと良いでしょう。配置図上でも、あなたが立てる家と隣家の窓の位置関係は十分にチェックするようにしましょう。
開閉のしやすさ
各所の窓の開閉の仕方については、1か所ずつ必ず確認するようにしましょう。辷出し窓であれば、下枠についたハンドルをくるくる回すのか、高い位置にある窓であればチェーン式オペレータがついているか。手が届かなくて、開け閉めできない窓になっていないか十分注意しましょう。
高所の窓ではなくても、トイレや洗濯機上部の窓は手が届きにくかったりすることも多いので、要チェックです。内倒し窓であれば、フック棒がついていて開けやすくなりますね。いろいろな種類の窓がありますが、それぞれの特徴や使い分け方については下記の記事を参照してみてください↓↓
収納
収納に関しては、足りなかったという後悔が多いですが、まずは本当に必要な収納量を把握したり、絶対量を減らすという考え方が大切ですね。収納との向き合い方に関しては下記の記事にて考察しているのでぜひご一読ください↓↓
しっかりと必要収納量を把握し、絶対量を減らしたうえで、合理的な収納計画を適材適所に施すことが重要です。余ったスペースを「納戸」とか「物入」として、間取りのあちこちに何となく散りばめられた状態に、何となく満足するだけでできてしまった収納計画だと、失敗することが多いです。
それぞれの収納には何を保管するのか、出し入れの頻度はどれぐらいなのか、物入れであれば棚板の奥行きや幅、高さや段数は何cmなのか、棚は可動式にしておいた方が便利かも、みたいなことをじっくりと検討しておきたいですね。
例えばただただ大きな物入れがあったとしても、無駄に奥行きが大きいだけでは奥においてあるものが出し入れしにくかったり、逆に奥行きが足りな過ぎておきたいものが置けなかったり。
また、玄関廻りは特に収納で失敗したくない場所の一つです。家の「顔」となる部分でもある玄関で、収納を失敗してしまうと、人を招くのをためらうような家になってしまいます。玄関はただでさえたくさんのモノが散乱しやすい場所なので、下記のような記事をご参照の上、玄関廻りの収納に関する知識を身に着けてみてください↓↓
満足のいく収納計画を実現するためにも適材適所な収納を設けていきたいですね。
床の色
散々悩んだあげく選んだ床の色だけど、やっぱりあの色もよかったなぁと後悔される方もたまにいると思います。ずっとお気に入りで飽きの来ない床の色を選びたいですね。
機能的な面からの失敗としては、色の濃さ・明るさと掃除の関係です。高級感を演出しやすい濃い色の床はホコリ汚れが目立ちやすいです。洗面室などで清潔感を求めるあまり真っ白な床を選んだけれど、落ちている髪の毛が目立ちやすくて気になると後悔される方もいらっしゃいます。
逆に考えれば、「汚れやゴミが目立つ=気づくことができる」と いうメリットととらえる方も中にはいらっしゃいますが、来客のときなんかに多少の汚れやゴミはごまかしがきいてほしいと考える方も多いですね。
家事がしにくい
特に洗濯は家事の中で大きな負担になる部分なので注意しておきたいですね。
洗濯して水を含んだ洗濯物を毎日何度も長い距離運ばなければならない、場合によっては階段の上り下りもあるなどの後悔もよくあります。
その他、買い物帰りの荷物の搬入動線やゴミ出し動線が不便になっていないか。生ごみを家の中を通って外に出す場合、途中で知るがこぼれたりして後悔、なんてこともあります。
例えば勝手口やパントリーがあればモノの保管や動線の観点で便利そうですよね↓↓
コンセント
コンセントに関する失敗・後悔で多いのは、足りなかったり、ほしいところになかったり、位置をもう少し調整しておけばよかった、などが多いですね。コンセントの数が不足していると、単純に使いたいものが使えないだけではなく、掃除機をかけるときに不便を感じたりということが生じます。
ただつけておけばいいというだけではなく、位置によっては通路部分でコードに
つまずきやすくなってしまうとか、家具を置いたらコンセントが隠れてしまって使えないなどということも生じてしまう場合があります。
家電製品を置く部分、部屋の隅部、にきちんとコンセントが整備されているか、家具類を図面に落とし込んだ上で確認するようにしてください。
また、最近ではスマホの充電に関する後悔が多いように感じます。リビングやダイニングでのんびりスマホを触りながら充電ができるか、寝る前の充電は不便がないか今一度確認してみましょう。
コンセント計画については下記の記事にて詳しくまとめていますので、ぜひご参照いただけると嬉しいです。
無料間取り作成サービスを利用する
ここまで述べてきたように、家づくりには様々な失敗や後悔が後々生じる可能性があります。このような事態を未然に防いで、満足のいく家をつくるには十分な下調べや検討を経てある程度の知識を備えておく必要があると思います。
最近では本ブログのような家づくり関連のサイトや、SNSなどで様々な事例や知識・ノウハウに触れることができますが、やはり具体的なプランやアドバイスなどが無いとなかなかイメージが湧きにくい方のほうが多いと思います。
例えば最近では、あなたの要望に沿って無料で間取りプランを作成してくれたり、見積もり・資金計画、さらには土地探しまで対応してくれるようなサービスも充実してきています。さらには複数の住宅会社の提案を比較するということも可能なので、住宅展示場に足を運ばずとも、簡単にたくさんの提案を見比べることができます。
これから家づくりをまさにスタートされる方はぜひ一度下記よりご活用されてみてはいかがでしょうか↓↓
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は家づくりにおいてよくある失敗についてまとめてみました。最後まで油断することなく失敗を未然に防ぎながら家づくりを進めてくださいね。
間取りがご自身のライフスタイルにマッチしているかどうかについては、一日の流れをシュミレーションしてみることも効果的です。下記記事の内容も合わせてご参照いただければ非常に参考になると思いますのでぜひご覧いただければうれしいです↓↓