家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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便利な納戸のつくり方・使い方

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納戸があればやはり何かと便利ですよね。

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

あれば何かと便利な納戸。納戸を作る上で大事なこと、納戸はどのように使えばよいのか、そもそも納戸って何なのか。納戸について今回は考えていきたいと思います。 

納戸とは

まず、納戸とは何か。建築基準法上、居室として扱うことができなかった部屋を収納部屋として利用するような場合があります。このような部屋のことを納戸と呼びます。ほかにもサービスルームとか、DENなどと呼ばれることもありますが、いずれも同じようなものを意味しています。

部屋を建築基準法上居室として扱うためには部屋の面積に対して一定の面積以上の窓の確保が必要になってきますが、これをクリアできずに居室として扱うことができないときに納戸として利用します。納戸の広さとしては、一般的な部屋一つ分ぐらいの広さのものもあれば、1畳程度の小さな納戸など様々なサイズの納戸があります。

納戸の使い方

次に、納戸にはどのようなものを収納するのか。一般的には、頻繁に出し入れすることがないものや、たまに使うようなもの、比較的大きなものなどの置き場所として利用すると便利なことが多いです。例を挙げると、扇風機・ヒーター・ひな人形・クリスマスツリー・スノーボード・ゴルフバッグ・・・などのように、季節ものやオフシーズンは使わないもの、サイズが大きくてかさばるものを置くのに便利ですね。その他にも、捨てようにも捨てられない記念品や思い出の品などの置き場所としても便利です。

納戸はどこに設ける? 

納戸を家の中のどこに配置するか。
基本的に家族の共有の物置場所ということになるので、廊下などに面して設けるのが一般的です。そして、可能であれば1階と2階の両方にあったほうが使い勝手がいいです。出し入れの頻度が少ないとはいえ大きくてかさばるものを階段を介して上げ下げするのは非常にしんどいですよね。
外に持っていくことが多いレジャー用品・スポーツ用品、リビングで使う装飾品や扇風機・ストーブなどは1階の納戸に、予備寝具や記念品・使わなくなったもの、捨てるかもしれないものなどは2階の納戸に、みたいな感じで、モノの保管場所をシュミレーションしてみてください。

標準的な納戸の規模としては、例えばだいたい3畳程度の納戸を各階に設けるという感じが一つの目安になってきそうでしょうか。もちろん収納のボリュームにもよるので、実際に所有しているモノの量を把握するとともに、不用品をこれからどれだけ処分できるかという「引き算」も忘れず検討するようにしてください。 

納戸に窓は必要?

そして、納戸の窓の要否についても考えてみましょう。前述のとおり、納戸は居室ではないので窓無しにするということも可能です。書類・本・衣類などを多く保管する場合は、日焼けに配慮して窓無しとするのも一つの選択肢だと思います。ただしその場合は湿気を防ぐためにも換気扇を設ける必要があります。

窓を設ける場合は、置いたもので窓がふさがれてしまうことの無いように、ものを置きがちな部屋の隅っこは避けるべきです。また、あくまで換気が目的になるので前述のように、収納品の日焼け防止のためにも窓の大きさは最小限にしておくのがいいです。 

窓のほかにも、納戸への出入り口についても考慮しておきましょう。ドアよりも引き戸の方が圧倒的に使い勝手が良いです。引き込み戸にしておけば内部に置かれたモノとの干渉も防ぐことができます。また、中に置くもののサイズも考慮して、扉の有効幅は選択しましょう。 

納戸のスイッチ・コンセント

スイッチやコンセントについても忘れずに考慮しておきましょう。照明のスイッチは納戸の中よりも外に設けておいたほうが良いです。たまにしか入らない納戸のスイッチは外につけておいたほうが探す手間も少なくなるし、納戸の中にスイッチを付けてしまうとモノが置きにくくなったりすることもあります。

また、例えば将来的に納戸を書斎や子供の勉強部屋に転用する可能性がある場合は、パソコンなどを置けるようにコンセント類も設置しておいたほうが便利ですし、空調や照明についても将来的に不便の無いように計画しておく必要がありますね。

納戸は建築基準法上居室ではありませんが、このように居室的な使い方に転用することはよくあります。ただし、あくまで居室としての要件は満たしていないので、このように必要になりそうなもの、備えておいたほうが良さそうなものは、計画の段階でしっかりと見込んでおいたほうが良いでしょう。 

まとめ

以上、今回は納戸の使い方及び作り方についてまとめました。そもそもの納戸の意味や、収納を考える上で把握するべきポイントをご理解いただけたと思います。また、納戸は収納以外の使い方の可能性も幅広く、将来の使い方も含めてご自身の生活に合致した納戸のスタイルを確立していただければと思います。