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コンセント計画のポイントまとめ―失敗例・注意点も交えて

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。 

今回はコンセント計画について、注意すべきポイントなどをまとめていきたいと思います。外観なインテリアの色決めや、キッチンなどの製品選びなどはイメージもしやすく楽しく取り組むことができそうですが、コンセント計画はちょっとイメージがしづらく、一か所一か所地道に確認していく作業が疲れる。。。と思われている方も多いと思いますが、実は竣工後に実際に暮らし始めてから後悔するパターンが非常に多いトピックでもあります。この位置にしておけばよかった、足りない、ここにはいらなかった。。。みたいな感じですね。

一度家ができてしまうと後でコンセントを動かしたり、追加したりするのは非常に困難なので、ぜひ慎重に検討しておきたい内容ですね。まさにこれからコンセント計画という方にはぜひ参考にしていただければと思います。 

家具類のレイアウトは決めておく 

コンセント位置の検討に進む前に、必ず各部屋の家具や家電等のレイアウトはしっかりと決めておきましょう。というのも、コンセント関連の失敗で結構な割合を占めるのが、入居後に家具を置いたらコンセントが隠れて使えなくなった、とか、必要な場所にコンセントが無くて、家電製品が使用できない、という失敗が多いからです。家具背後に隠れたコンセントは無理やり差し込んで使うと、今度は抜くのが大変になって結局刺しっぱなしになり、気づかぬうちに家具の背後でコンセントにホコリがたまり、トラッキング現象の原因にもなって危険です。トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間にホコリが溜まり、ホコリが空気中の水分を吸収し、漏電、火災につながるという現象です。特にキッチン周りの場合、油分を含んだホコリが溜まりやすいため、トラッキング現象のリスクが高まると言われます。 

このような失敗については、設置予定の家具をきちんと図面に落とし込んでおくことによって、防止することができます。新居に持ち込む家具や、購入予定の家具や家電については、品番・サイズ等の情報を希望レイアウト位置と合わせて整理して伝え、図面に落とし込んでもらうようにしましょう。

これをもとに作成されたコンセント計画図をベースに打ち合わせできれば、スムーズに進むとともに、使い勝手の良いコンセント計画につながりやすいです。 

季節ものの家電製品にも要注意

季節ものの家具をどの位置において使うのかという検討が結構見落としがちになることが多いです。例えば夏なら扇風機、冬なら加湿器やヒーターなどですね。これらを置きたい場所に置いたときにもし使えるコンセントが無ければどうするでしょうか。おそらく延長コードに頼ることになると思いますが、つまづきの原因にもなるのでなるべく避けておきたいですね。

このようなコンセント不足を防ぐためにも実際に必要なコンセントの個数を位置と合わせて慎重に検討しておきましょう。

一般的には居室の場合、コンセントの数は

4.5~6畳⇒3か所

6~8畳⇒4か所

8~10畳⇒5か所

が目安と言われます。これを参考にしつつ、実情に合わせてコンセント数を検討しましょう。 

掃除機のことを考える

コンセント計画を考える際、掃除機をかけるときに不便の無いように配置していくというのがよく言われます。標準的な掃除機のコードの長さは約5mとかなので、それを踏まえて配置していくとある程度の範囲ごとにコンセントが分散されていきます。実際に掃除機をかけるところをイメージしながらどこにコンセントが必要かを確認していくのも大事です。廊下にもある程度コンセントは必要ですし、階段の踊り場なんかも見落としがちです。

また、最近ではお掃除ロボットのルンバや、コードレスクリーナーなどを使う方も増えてきていますよね。この場合はコードのことは考えなくてよくなりそうですが、その掃除機を普段どこに片付けておくか、つまりはどこで充電するのかを考えておく必要があります。おそらく納戸やウォークインクローゼットの片隅に掃除機を保管することが多いと思いますが、収納スペースは意外とコンセントを付け忘れることが多いので、忘れず設置するようにしましょう。 

LDKでのコンセント注意点

リビングで注意したいのはテレビ関連ですね。テレビ本体以外にも、DVDやブルーレイ、ゲーム機、スピーカーなど、結構必要なものが多いです。

ダイニングは鍋やホットプレートを使う際に利用できるコンセントがあるかどうかが要チェックですね。あまり遠くなると足を引っかけて危険です。ダイニングテーブル下にフロアコンセントがあると使いやすいですね。 

リビングとダイニング共通で気にしておきたいのがスマホの充電です。充電しながらスマホをいじることができないという失敗談をよく聞きます。リビングのソファやダイニングテーブルに座っているときに充電しながらスマホいじりができるかどうかもチェックしておきたいですね。 

キッチン周りは、家電がかなり多いです。冷蔵庫、炊飯器、オーブン、トースター、電子レンジ、コーヒーメーカー、ミキサー、ブレンダーなど、ご家庭にどれだけの家電が存在するのかリストアップした上でレイアウト検討が必要です。 

寝室でのコンセント注意点

ベッドや机のレイアウトに注意して家具にコンセントが隠れないようにしましょう。パソコン廻りでは、プリンタやモニタなどの周辺機器に必要なコンセント数も忘れず確認が必要ですね。

また、特に注意が必要なのが、子供部屋です。子供部屋は成長の過程に応じてモノが増えたり、室内のレイアウトが変わることがあり、家の中でも変化の多い部屋と言えます。例えば、大きくなるにつれて、学習机が置かれるようになった。テレビやゲームも置くようになった。高校、大学になってくると、個人のパソコンも欲しくなった。このように、必要な家電製品が増えるということが予想できますね。

また、2人兄弟とかの場合に、小さい頃は大きな一つの子供部屋、ある程度大きくなってから間仕切りで2つの部屋に分けるという計画もしばしばありますが、この時に家具のレイアウトは大きく変わってくると思います。将来的にレイアウト変更にも対応できることを確認した上で、子供部屋のコンセント計画を決定していきたいですね。 

屋外 

これも結構見落としがちな内容です。コンセントと聞くと室内空間にばかり目が行きがちですが、屋外でもコンセントが必要な場合もあります。

庭をライトアップしたい場合、DIY作業するときに屋外で電動工具を使用する場合、バーベキューなどのように屋外での調理を行いたい場合、電気自動車の充電が必要な場合など、意外と屋外にもコンセントがあった方が、さまざまな用途に対応できて便利ですね。 

まとめ

以上、コンセント計画において気を付けるべきポイントをまとめました。家が一度出来上がってしまうとコンセントの変更はほぼ不可能になるので、後で後悔しないためにも慎重に計画しておきたいですね。