洗濯動線を効率的に計画する方法
家事動線の短縮化は毎日の負担を減らすうえで非常に重要ですね。
こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。
今回は家事動線の一つである洗濯動線について考えたいと思います。
炊事、掃除、洗濯、この3つを効率よくこなすことができれば日々の快適さは大きく向上します。この中で、特に作業工程や動線が間取りに大きく影響を与えるが「洗濯」です。
間取りの工夫で洗濯を制することができれば、家事の負担を大きく低減できるはずです。
洗濯を制するための間取りを実現するために必要なこと、手法をまとめていきたいと思います。
作業工程の確認
まず、洗濯という家事の流れを作業工程ごとに分解してみましょう。
①洗濯機をまわす
②干す
③取り込む
④たたむ
⑤しまう
洗濯という家事は移動を伴いながら複数の場所で作業を行う必要があるというのが特徴です。洗濯の量や回数が増えれば増えるほど、この移動距離は繰り返されてかなりの移動距離が必要となり、どんどん労力が大きくなってしまいます。
なので、移動距離をなるべく少なくすることができるような間取りにできれば、大きな時短効果が期待できるはずです。
移動距離を短縮するには
では、この中で移動が伴う部分はというと、「①→②」と「④→⑤」ですね。
まず「①→②」について考えます。洗濯が完了し、物干し場まで洗濯物を運んでいく作業です。洗濯機が1階と2階のどちらに置かれているか、洗濯物を干すのは1階の庭なのか、2階のバルコニーなのか、あるいはどこかに室内干しするのか。これらがどのような組み合わせになっているのかによって、作業の負担がかなり変わってきます。脱水を終えたばかりの重たい洗濯物を持って階段を上り下りするような動線は避けたいですね。なので、階をまたぐような物干し動線はなるべく避けて、洗濯動線がワンフロアで完結できるのが理想、かつ、平面的な移動量もなるべく減らすのがより望ましいです。
洗濯室がバルコニーや庭に隣接している、あるいはユーティリティスペースが隣接していてそこでまとめて室内干しができるようになっていれば完璧ですね。ユーティリティスペースにアイロンがけのスペースも確保できれば、なお理想的ですね。
次に「④→⑤」についてです。乾いた洗濯物を各収納場所に分配して片付ける作業です。家族全員分の洗濯物を各部屋に分配していくのはかなり大変です。洗濯物をたたんだ場所と各収納を何度も往復することにもなります。これを避ける最も効果的な方法は、家族全員の収納場所を洗濯場所の近くに一か所にまとめてしまうことです。例えば洗濯物を取り込んだ後最短距離の移動で済む場所に大きめのウォークインクローゼットを設けることができれば、かなりの負担が減ると思います。
タオルや下着類は洗面室の中に収納棚を設けておいてそこにまとめておいても良さそうですね。洗面室にそれなりの収納スペースがもし確保できるようであれば、ぜひ検討しておきたいですね。
まとめ
このように、移動量を最短にできるような配慮が洗濯の際の家事負担を劇的に低減することにつながります。各工程がどこで行われるのか、どれほどの移動が伴うのかをしっかりイメージしながら間取りを検討してみてください。