家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

いい家づくりに必要な知識やノウハウが詰まったガイドブック的なブログを目指します。

面格子の選び方―種類とメリット・デメリット

f:id:Frappuccino:20190605130459j:plain

こんばんは。家の設計をしております建築士の「いえもん」です。

家の窓に防犯の目的で面格子の設置を検討する方も結構いらっしゃると思います。実際に空き巣などの被害にあわれたことのある方からは必ずすべての窓に面格子を付けてほしいといわれることもあります。そんな面格子の選び方について今回は考えていきたいと思います。防犯対策を重視する方は必見です。

面格子をつけることによるメリット・デメリット

まず、面格子を設けることのメリットは見ただけで防犯対策が施されているということがわかることです。泥棒にとってはこれが一定の抑止力になります。

侵入者の視点から考えたときに、彼らは「①安全性(捕まらないか)」「②容易性(侵入しやすいか)」「③確実性(儲かるか)」の3点を意識すると言われています。窓に面格子がついているかいないかによって、侵入者にとって②の評価が大きく変わると考えることができます。

また、これまでマンションの高層フロアに住んでいた方にとっては、いきなり戸建て住宅の1階に住むことに対して不安を感じることもあるかもしれません。そうした時に開口部に何らかの防犯対策が施されていることで一定の安心感が得られるという点もメリットと言えるかもしれません。 

一方、デメリットとしては、外観への影響が非常に大きいと思います。どうしても牢屋のように見えてしまい、決して格好いい感じには見えにくいのがネックです。部屋の中から見た感じもあまりいい感じではないですね。眺望を期待する窓にはあまり設けたくないですね。また、窓の種類も限られてきます。例えば外側に開く縦すべり出し窓や横すべり出し窓などが使えず、だいたい引き違い窓になります。

なお、最近では室内側に設置するタイプの面格子もあり、外観のイメージを守りつつ、窓の種類もある程度選択できるような製品もあるので検討の余地があるかもしれません。

その他にも防犯シャッターにするという手法もありですね。 

そして、面格子の種類には以下のようなものがあります。 

アルミ縦格子

最もよく見かけるタイプの面格子で、費用も安めです。その代わりに防犯効果はいちばん低いと言われています。面格子は取り付け部分のビスが主な弱点になってきます。このビスの頭をドリルで削るなどして潰しておく、あるいは、硬めの接着剤(例えば2液型エポキシ樹脂など)で埋めておくなどによって、簡単にドライバーでビスを外せないようにしておけば、一定の効果が期待できます。もちろん本気を出せばビスなんて関係なく、面格子ごと大胆に外したりすることも可能ですが、いかに外すために手間や時間をかけさせたり、音や振動が生じるような外し方しかできないようにするかが大事です。これによって、泥棒のターゲットになりにくくなることを期待したいという考え方です。 

ヒシクロス

ひし形格子形状の面格子です。縦格子に比べて一定の効果が期待できると言う点と、見た感じ的にも、「守られている」感があります。一方でデメリットとしては、掃除のしにくさが挙げられると思います。タテ格子はしゅっと縦方向に拭いてあげれば済みますが、ヒシクロスは形状的に非常に拭きにくい形になっています。拭くところを想像すればお分かりいただけると思います。 

ステンレス格子

コストは上がってきますが、ステンレスという素材から耐候性とともに防犯性も上がって頑丈になってきます。 

どの窓に面格子をつける?

そして、どの窓に面格子を付けるかについても考えたいと思います。もちろん、すべての窓に面格子を付ければそれだけ安心感、防犯性は高くなると思いますが、一か所あたり何万円とかで費用がかかってきますし、面格子だらけの外観というのもちょっと苦しいと思います。泥棒の侵入ルートになりそうな部分に絞っていきながら設置するのが妥当な流れだと思います。 

最もよく狙われる窓は、ずばり水回りの小窓とかが多いです。トイレやお風呂や洗面室の窓とかですね。こんなちっちゃいところからは入ってこないであろうという油断があったり、換気のための窓という機能上どうしても開けたまま忘れたりすることも多いです。さらにこういった水回りは敷地の中で裏側になることが多いので、泥棒にとっては道路からの視線にさらされにくく、隠れながら侵入作業が行いやすかったりします。

(ちなみにこういった敷地の裏側の地面は砂利敷きにしておけば、歩くと音が鳴るので泥棒が嫌がります。)

このような防犯上弱点になりやすい開口部をメインに面格子を設けていけば、機能・費用・意匠のバランスを取りやすいと思います。 

まとめ

面格子を付けることによるメリット・デメリットと面格子の種類をまとめました。大事なのは、防犯対策をしていることが侵入者に伝わるのが利点であるということです。コストとのバランスを見ながらどの程度まで防犯対策を施すのかを慎重に検討していきたいですね。

面格子以外にもいろいろな防犯対策があります。下記の記事にてさまざまな防犯対策に関して触れているので、ぜひご参照ください。

 

www.my-home-dream.com