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照明計画のポイントまとめ(その3)―寝室・子供部屋・書斎・和室編

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こんばんは。家を設計しております、建築士の「いえもん」です。

照明計画シリーズ第三弾の今回は、LDK以外の居室たち、つまり寝室・子供部屋・書斎・和室関連についてまとめていきたいと思います。

寝る前にくつろぐための空間であったり、一人で勉強に集中したりと、リビングなどの居室とは過ごし方や目的が変わってくるので、照明の考え方も結構変わってきます。このような使い方の違いを踏まえた上で、各部屋の照明計画の立て方を押さえていただければと思います。

寝室の照明計画でおさえるべきポイント

寝室は一日の疲れを癒す休息の空間です。寝る前の癒しのひと時を大事にするためにも、他の部屋に比べてよりいっそうリラックスできる雰囲気づくりが重要になってきます。

主に就寝のための空間なので、明るい光は必要なく、落ち着きのある電球色(オレンジっぽい光)を選択することが無難です。調光機能があればなお良いでしょう。スイッチのON/OFFや調光のコントロールは、ホテルの部屋のようにベッドサイドからも操作できるようにしておけば寝る前に非常に便利です。また、コンセントに差し込んで使える調光器なども家電量販店とかで販売されているので、活用できそうですね。

一方で、寝室に併設されているウォークインクローゼット内部については照明の色は昼白色などの白い光を選択しましょう。なるべく太陽光に近い照明とすることによって、実際に出かけたときに見える色で、服を選ぶことができます。電球色の照らされている中で服を選んでいると、外に出てから思っていた服の色じゃないなと気になることがあるかもしれません。

寝室で何をするかによっても、追加で必要な照明がでてきます。たとえば読書する場合は、手元をピンポイントで照らすユニバーサルダウンライトを読書灯として設置します。読書時の光源によるグレアが気になる方は、グレアレスダウンライトを使ってもいいでしょう。

あるいはサイドテーブルにテーブルスタンドを置く程度でも十分かもしれません。メイクをしたり、寝る前のスキンケアを寝室に設けたドレッサーで行う場合は、ドレッサー部分にも追加で照明があった方が便利です。

その他にも必要に応じてフロアスタンドなどを補助的に設けて明るさを調整しながら、演出性を高めるのもいいかもしれません。

子供部屋の照明計画で抑えておくべきポイント

続いて次に、子供部屋の照明計画について考えていきましょう。

他の部屋と異なる子供部屋の特性としては、机に向かって長時間、勉強したり、本を読んだりといった行為が想定されます。 また、パソコンも最近では一家に一台ではなく、いつもの間にか1人一台が当然になってきているので、ディスプレイの見えやすさなどにも気を配っておきたいですね。 

子供部屋の照明計画としては、部屋の中央にシーリングライトを一つ設置するという手法がよくあるパターンです。手っ取り早く部屋全体を効率よく明るさが確保できます。 このパターンの注意点としては、ディスプレイに光源が映り込んで、パソコン作業時に画面が見づらくなる可能性があるということです。映ってしまうと結構ストレスになります。 これについては遮光角の大きなダウンライトを設置することで、映り込みを防ぐことができます。また、照明が仕込んである学習机などであれば大丈夫ですが、照明がついていない机を使うのであれば、デスクの真上にダウンライトを一つつけてあげれば作業に必要な明るさは確保できます。デスクに座る人自身によってできる影で手元が暗くなるというのも防ぐことができます。 

ここまでで記載した子供部屋の照明に関する考え方は、同じように机に向かって作業をする書斎にも適用できますので、書斎を計画される方にとっても参考になると思います。 

また、子供部屋の計画で時々あるのが、お子様が小さい間は兄弟で大きな部屋を共有しておき、ある程度成長したら間仕切り壁で部屋を二つにわけるというパターンです。 この場合、将来二室になったときにそれぞれの部屋で照明に偏りが無いように計画しておきましょう。そして、部屋を分けるときに机やベッドなどのレイアウトも変わることになると思います。部屋を分けた後の家具レイアウトもある程度方針を立てた上で、将来的にも照明計画がきちんと成立するようにしておきたいですね。 

あとは、子供部屋の内装や照明計画は遊び心のあるデザインに、という考え方もあります。可愛いデザインのものを選んだり、ダウンライトをランダムに配置してみたり。 しかし、子供部屋が実際に使われるのってせいぜい十数年前後です。その間にも子供は成長に伴って好みも変わっていったり、子供が巣立っていけば、基本的にそれらの部屋はあまり使われなくなります。 ということであれば、どちらかというとみんなが長きにわたって使用するリビングとかに力を入れていくのが望ましいのではないかと思うのです。 

和室の照明計画のポイント

では最後に、和室の照明計画についてポイントを書いていきたいと思います。

和室にはさまざまなスタイルと使い方があります。お仏壇と床の間がある純和風な部屋なのか、高齢の方の自室なのか、来客時の応接スペースなのか、リビングに面したお昼寝コーナーなのか。 

なので、まずはあなたの和室がどのような使われ方になるのかを確認することから、和室の照明計画は始まります。 お年寄りの方のお部屋ということであれば、和室用のシーリングライトで部屋全体を均一に明るく照らしてあげるのが理にかなっています。 

来客時のおもてなし空間に使うということであれば、最近では和モダンな雰囲気の和室としての空間演出も非常に多いです。 照明もダウンライトでスタイリッシュな演出が可能で、和室に合わせたスクエアタイプのダウンライトや、フレームが木枠になったものもあります。 

また、和室には木や和紙などの天然素材の仕上げが多いので、照明の色温度としても天然素材にマッチして温かみのある電球色が適しています。 

床の間は下がり壁で区切られていて、その奥の天井が上がっているつくりになっているので、間接照明によるデザインがやりやすいです。アートや生け花を床の間で照らしてあげると空間のアクセントとして演出できます。スポットライトを使ってもドラマチックな演出ができそうですね。 また、和室は基本的に座って過ごす空間なので、低めのフロアスタンドなどを置いてあげると落ち着きがあります。光の重心を下げてあげることで和室全体が落ち着きのある印象になります。床の間に置いてあげるのもおしゃれですね。 

なお、光の重心を下げて落ち着き感を求める考え方は寝室の照明計画にも適用できるのでぜひ検討してみてくださいね。 

まとめ

以上、今回はさまざまな居室たち、寝室、書斎、子供部屋、和室の照明計画についてポイントをまとめてみました。長時間作業をしたり、落ち着きが求められる居室空間なので、ぜひじっくり検討してみてください。

 照明計画シリーズについては、下記の記事も合わせてご参照ください。

 

www.my-home-dream.com

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