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照明の光の色はどのように使い分けるか?適材適所をお教えします

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照明の光の色には、さまざまな使い分けがります。

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

今回は照明の光の色について、種類と使い分け方をご説明しようと思います。各部屋ごとに、その空間で求められる条件は異なってくるので、当然必要な光の条件も変わってきます。適材適所で光を決めていけるように必要な知識をお伝えしたいと思います。

光の色の種類 

照明の光の色は、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の5つに分けられます。各色のイメージは下図のようになります。

 

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出典:「アイリスオーヤマ株式会社」HPより

     https://www.irisohyama.co.jp/

 

電球色に近づくほどオレンジっぽい温かみのある光、昼光色近づくほど青白っぽく冷たい印象の光になっていきますね。住宅の照明計画においては、主に電球色・昼白色・昼光色の3種類の光で使い分けていくことが多いです。

電球色 

まず、オレンジっぽい光の電球色については落ち着きが求められる空間に適していると言えるでしょう。よって、リビングダイニングや和室などといった、人が集う団らんや食事の場所に適しています。

特に、ダイニングにおける電球色は、料理を美味しそうに見せる効果があります。飲食店の客席でもオレンジ色の照明が使われていることが多いですよね。これは電球色という光には赤色の波長が含まれており、食欲をそそる赤色がより際立って見えることによります。

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青白い光で照らされているよりも温かみのある光に包まれた食事のほうがやはり美味しそうに見えますよね。

そして、寝室のような寝る前の休息時の照明としても適しています。間接照明で空間をムーディに演出したい場合などにも非常に効果的です。

その他、廊下や階段の足元灯も電球色のほうが夜中にトイレに行く際などに眩しすぎず、眠気が覚醒することなく歩行できそうです。

一方作業が必要な書斎などには、眠気を誘発して集中力を妨げる場合があるのであまり適していません。

昼白色 

太陽の光に近い自然な白い光です。出かける前のお化粧や洋服を選ぶ際に、昼白色の照明が適してい

ると言えるでしょう。なので、化粧をする洗面室や、服を選ぶウォークインクローゼットの照明は昼白色にしておくと出かけたときの見た目をイメージしやすいですね。

また、食べ物を扱うキッチンでは、調理前の食材をより自然な正しい見え方で確認することができるので、昼白色が適していると言えますが、ダイニングと合わせて温かみのある電球色でまとめるのも良さそうですね。

電球色に比べて白い光のほうが作業や学習に集中しやすいので、書斎や子供部屋にも向いています。

昼光色 

昼白色よりもさらに明るく青白い印象になってきます。青い光は脳を活性化させる働きがあるので、先ほどの昼白色よりもさらに学習する空間に適していると言われることが多いですが、あまりにも冷たい空間になり過ぎてしまうこともあるので、敬遠されることも多いです。実際に、疲れやすくなってしまったり、頭痛になりやすくなる人も中にはいらっしゃいます。

なので、昼白色と昼光色のどちらが集中しやすそうかについては個人差があると思います。例えば会社のオフィスの冷たい感じの照明が疲れやすいといった方であれば、昼白色にとどめておくという選択肢もありですね。

調光調色機能 

最近では、光の色や明るさを自由に調整することができる照明を選ぶことがかなり多くなりました。

例えばリビングダイニングでは、食事や団らん以外にも、お子様が宿題をしたり、奥さんがお化粧をしたりなど、様々な使われ方が想定されます。

寝室についても寝る前の休息タイムで落ち着きのある電球色が求められることがあれば、ご主人の作業スペースがあったりすると白っぽい光が必要になったり。

このような場合、多様な光環境を創出できるようにしておくと複数のシーンに応じたニーズにこたえることができるので非常に便利ですね。

まとめ 

 このように、場所ごとにオレンジ色の光か白い光、場合によっては青白い光を使い分けていく必要がありますが、様々な生活シーンに対応する必要がある空間では、必要に応じて調光調色機能も備えながら、より過ごしやすい光環境を作り出していきたいですね。