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和モダンのインテリアを生み出す方法

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

和モダンあるいはジャパニーズモダンなどと呼ばれているインテリアのスタイルが近年注目されてきています。伝統的な日本の和の雰囲気の中に洋風の要素を取り入れたり、モダンな雰囲気と融合させたりして、和室を現代風にアレンジしたスタイルです。

異なるスタイルや文化の組み合わせによって新たなデザインが生まれる和モダンのインテリアは、形式にとらわれない自由なアイデア・発想しだいでいくらでもおもしろい空間が生まれる非常に興味深いスタイルです。

今回はそんな和モダンの空間の魅力と、和モダンを生み出す方法やコツをご紹介していきたいと思います。 

和モダンな空間における畳 

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出典:「ダイケン」webカタログより引用

    https://www.daiken.jp/ 

和モダンな雰囲気を演出する上で、大きな要素となってくるのが「畳」です。昔から和室には畳が欠かせませんが、近年の和モダンな和室においては縁無しの「半帖畳」が使われることが多いです。従来の一畳の畳の半分のサイズなので、正方形の形になります。「琉球畳」と呼ばれることも多いですが、厳密には「半帖畳」=「琉球畳」というわけではなく、もともとはイ草とは異なる「七島イ」と呼ばれるカヤツリグサで作られた畳のことを琉球畳としていました。また、最近はイ草ではなく、和紙畳も人気です。イ草よりも耐久性に優れ、汚れにくい、変色しにくい、拭き取りやすい、カビにくいなど、いろいろとメリットがある製品も多いです。

上の写真では市松模様に畳の色が2色になっているように見えます。これは畳の目の向きを互い違いに敷き込んでいる状態であり、2色の畳を使用しているというわけではありません。このように、畳の目の向きに対する光の反射によって生まれる市松模様は和室に新鮮な雰囲気を与えてくれます。 

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出典:「ダイケン」webカタログより引用

    https://www.daiken.jp/ 

また、特に半畳畳は従来の畳よりもよりたくさんの色を選択することができるのも魅力的です。藍色や薄桜色といった特徴的なカラーで遊んでみるのも楽しいですし、上記の写真のように墨染色や粟色といった濃い目のカラーを遣えばよりシックでモダンな雰囲気になり、ホテルライクな空間を演出したい場合に有効です。

また、リビングの一角に置き畳で簡単に和室コーナーを作るという手法もありますね。

天井にもこだわる 

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出典:「何階プライウッド」HPより引用

    https://www.nankaiplywood.co.jp/ 

畳だけではなく、天井の素材にもこだわりたいところです。木調天井で和モダン空間を演出する上では、濃い目の色柄を選定するのもおすすめです。板の張り方や板幅、照明との組み合わせも楽しみながらこだわりたいですね。  

異なる要素を取り入れる 

まったく和風とは言えない要素をちょっとだけ、アクセント的に取り入れるのも効果的です。
例えば、洋風の小物や家具を片隅に置いてみたり、落ち着きのある天然素材の空間の中に部分的に無機質な柄あるいは彩度の高い色彩のアクセントウォールが差し込まれていたり。ただし、やりすぎるとバランスが崩れていくので、控えめぐらいがちょうどいいと思います。
また、家具を置くときも注意が必要です。モダンといえど、和室はもともと床座がベースとなる空間なので、背の高い家具やソファを置いてしまうと一気に圧迫感が生まれてしまいます。座るための家具は座椅子やローソファにとどめるのがちょうど良さそうです。これは照明に関しても同じで、床座の空間に背の高いスタンド照明を置いたり、高い位置にブラケット照明をつけてしまうと、何だか落ち着かない感じになります。和室や落ち着き感が求められる空間においては、光の重心もしっかりと下げてあげることが大事です。  

吊押入れで和モダンを演出 

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  出典:「FREEDOM ARCHITECTS」HPより

     https://www.freedom.co.jp/

吊押入れを使うことによって収納を確保しながら、和モダンの雰囲気を演出することができます。

吊押入れにすることによって押入れが宙に浮かぶ形になり、見える床面積が大きくなるので、視覚的に空間が広く見えるという効果があります。3帖程度の必要最小限の和室コーナーのような場合には有効ですね。吊押入れ下部の板間部分に多少はみ出すことができるので、狭い空間の場合は布団も敷きやすさが改善されますね。

また、吊押入れ下部の開いたスペースは飾り物や照明などをレイアウトして、床の間と一体的に演出を楽しむことができます。またこの部分に地窓を設けたり、間接照明を収納下部に仕込んであげても楽しい雰囲気が生まれそうです。ふすまの柄にもぜひこだわってみましょう。

なお、厳密には少し収納量が減ってしまうという点だけは注意が必要です。

オシャレな地窓や高窓が和モダンを引き立てる 

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地窓や高窓を効果的に取り入れることによって、和モダンの空間をよりいっそう引き立てることができます。

地窓は日本における伝統的な窓の一種です。床面に近い位置に設けることによって、床座で目線が低い和室空間において、落ち着きが生まれやすいというメリットがあります。また、低い位置の窓ということから、外部からの目線を遮りやすくプライバシーの面でも有利と言えます。よほどのぞき込まれない限りは気にならないでしょう。

地窓の外側に、ほんの少しでもいいのでちょっとした植栽などを植えてあげれば、視線を遮りながら緑だけを効果的に取り入れることができるのも地窓ならではのメリットと言えるでしょう。四季が感じられる植栽の風景を取り入れることができればなお素晴らしいです。

そして次に高窓。ハイサイドライトとも呼ばれますが、今度は逆に天井付近に設ける高い位置の窓ですね。他の窓と高低差が生まれるので、開ければ風通しをしっかりと確保することができて部屋の居住性の向上にも寄与します。高窓にすることによって、部屋の中に光を十分に取り入れつつ、床面への直射日光を少なくすることができるので、畳の変色・劣化を抑制することができるというメリットもありますね。地窓と同様に外部からの視線もコントロールしやすいです。

プライバシーを守りながら、緑が見える地窓と空が見えるハイサイドライトを併用することによって、和モダンの空間はいっそう豊かな部屋になることでしょう。

和モダンに合うインテリアグリーンも効果的

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和の空間にマッチする植物を取り入れるのも効果的です。最近ではモダン風な盆栽とかもあるので、床の間なんかにぽんと置いてみると一気に雰囲気が出ますね。和室に飾るインテリアグリーンとしては、繊細で特徴的な葉の形状がオシャレなシュロチク、細く伸びる葉が特徴的なトクサ、モミジでおなじみのカエデなどがとてもおすすめです。

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床の間には下がり壁があるおかげで、床の間上部に照明を仕込みやすいので、置いた盆栽や飾り物を照らしてあげると、印象的な演出ができます。

照明 

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間接照明ができれば一気に和モダンで、しかもホテルライクな空間が生み出せそうですが、ぽんと置くだけでかなり雰囲気のでる照明も多数あるので、いろいろと探してみるのもいいですね。

柔らかい落ち着きのある光と影が、和の空間をよりムーディーにしてくれます。 

まとめ

以上が和モダンのインテリアを生み出すアイデアでした。伝統を引き継いだ素材感のある和の空間に、今を感じさせるアイテムや要素をいかに取り入れるのかが重要ですね。カッコいいながらも和の落ち着き・趣のある空間を目指していきたいです。和室を計画する上での大事なルール等は下記の記事にまとめております。 

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