キッチンにパントリーがあるとどんなメリットがある?
パントリーのあるキッチンに大量の食品を詰め込みたい。
こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。
キッチンにパントリーが備わっていると何かと便利なことが多いです。
もちろん、キッチン+アルファの面積が必要になってきますが、うまくプランに取り入れることができそうであれば、キッチンの利便性にもつながるのでぜひ検討しておきたいポイントです。パントリーがあることによってどのような利点があるかをまとめます。
食品の保管
食品には冷蔵庫に入れないものもたくさんあります。例えばじゃがいもや玉ねぎなどの根菜類は基本的に「冷暗所に保管」ですね。キッチンはリビングやダイニングとつながっていることが多く、特にオープンキッチンの場合は、空調により冬でも10℃を下回らないので冷暗所としては適していません。
キッチンと扉一枚介して小部屋としてパントリーが備わっていれば、冷暗所としての保管場所が確保できて、食品を適切に保管することができますね。その他にも乾物・缶詰・漬物・お米・非常食・・・などなど、数えだすと結構な種類の「冷蔵庫に入れない食品」があると思います。
今現在ご家庭に保管している食品類を一度チェックしてみて、パントリーの要否、あるいはどれぐらいのスペースが必要か思い浮かべておきたいですね。お酒や調味料のストックが多い方や、平日忙しくて買い物ができず、週末にまとめ買いする方にもパントリーは向いていると言えます。特売日やコストコでの大量まとめ買いも、パントリーがあれが保管場所を気にせずにすみそうです。
また、レイアウトとしては太陽熱の影響を受けやすい西・南を避けつつ換気にも配慮して計画したいです。
食品以外の保管にも
食品以外にも普段頻繁には使わないものや季節もの等、キッチン周りには様々な「モノ」が存在すると思います。土鍋や重箱、来客用の食器類などなど、こういったものも収納することができるので、モノの量をしっかり押さえておきたいですね。
勝手口があればなおよし
上図のように、パントリーに勝手口があればさらに利便性の向上が期待できます。
ゴミ出しや泥付き野菜の搬入などの際に玄関から出入りすると汚れや臭いが気になると思います。とくにゴミ出しについては地域によって回収頻度や曜日が異なるので、何日かゴミを仮置きしておかなければならないということもあると思います。勝手口の外にゴミの仮置きスペースがあれば便利です。ゴミの置き場所は意外と忘れがちなので注意しておきたいです。
そしてこの勝手口ですが、昔からよくある形だとキッチンの片隅に扉と靴の脱ぎ履きのための土間スペースがあるという簡易なものが多かったですが、この場合、ドアを開けると外気がダイレクトに居住空間に流入してくるので、近年主流のオープンキッチンの場合は特に注意したいです。
このような点から、勝手口を設ける場合はパントリーがあれば外からの冷たい空気が居住空間に入ってくることを防ぐことができます。前述の「冷暗所」として機能してくれるパントリーがいわば「風除室」としても機能してくれて、室内の居住環境を快適に維持することができる、あるいは省エネ的な観点からも望ましいと言えそうです。
生活感の抑制
例えば冷蔵庫や炊飯器などの家電製品はどうしても意匠上生活感が漂って見えてしまいます。特にオープンキッチンやアイランドキッチンにして、キッチンをリビングダイニングにおけるデザイン的な「見せ場」として作っていきたい場合、どうしても家電製品が垣間見えてしまうと見た目的にもったいないことになることが多いです。
パントリーはこのような生活感を隠すためにも有効です。ただし、家電製品をパントリー内に設ける場合は熱がこもるので必ず換気扇を設けるなどの配慮が必要ですので注意してください。
その他にもパントリーがあれば急な来客の際にとりあえずに急いで一気にパントリーに片付けてしまう、みたいな使い方もできそうですね。
調理動線が気になるかも
パントリーがあれば、食品や家電製品のスペースができる一方で、調理の際の動線が少し気になるかもしれません。例えば冷蔵庫から野菜を取り出したいときにシンクの近くに利蔵子を置いている場合に比べて、パントリーまでの移動が必要になってきます。パントリーがある種の「保管の拠点」的な場所になるので、その引き換えによるデメリットといえそうです。それがどれぐらい気になるか、調理のスタイルとも合わせて検討していきたいところですね。
まとめ
以上、パントリーがあることにより便利なことをまとめてみました。キッチンは料理をする場所なので、様々な道具や材料が存在します。これらの数多くの「もの」について、見えていいもの、できれば見えてほしくないものがあり、かつ、それらのすべてが使い勝手の良い位置に置かれている必要があります。パントリーがあることによって、ものの置き場所が整理され、キッチンの使い勝手が大きく向上することが期待できます。
より良いキッチンのためにも、ぜひ検討してみてください。