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玄関収納の種類とそれぞれのメリット・デメリットまとめ

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玄関が散らかるのは絶対に避けたいですよね。

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

玄関周りの収納を計画する上で、どのような収納スペースをどれくらい設けるかについて考える必要があります。
玄関収納には主に2つのパターンがあります。

「シューズボックス(下足箱)」あるいは「エントランスクローク(シューズクローゼット)」です。

それぞれの使い勝手をイメージしながら各ご家庭で最も使いやすい形を選択したいですね。今回はそれぞれのタイプの特徴をまとめていきたいと思います。
この選択を誤ると、収納量が足りない、置きたいものが置けない、使いにくい、物があふれて、来客時に困る、など、不便になったりストレスの原因にもなるので、ぜひ慎重にご検討くださいね。 

シューズボックス

まずは、シューズボックス(下足棚)を設ける場合ですが、どの位置に設けるかで使い勝手が変わってきます。上がり框の向こう側か、手前側か、つまりは、ホール側か、土間側かということです。

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まず、上図のようにホール側の場合、お出かけのときや帰宅時に、靴を出し入れしやすいです。

そして、玄関側の面積が大きくなるので、傘立てを置くスペースを確保しやすいです。

一方で靴が汚れている場合は、いったん上がってからその汚れた靴をシューズボックスに入れることになるので砂や泥などの汚れが、ホール側に落ちてしまいそうなのが気になりますね。子供の部活動のように、日常的にそこまで靴が汚れることがないということであれば気にならないかもしれませんが。

逆に、土間側に設ければ、このようなホールの汚れを気にしなくて済みます。

下の図のようなレイアウトです。

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その代わりに、靴の出し入れをするときは土間側に立つことになるので、その時に履くスリッパを常備しておく必要がありますね。ちょっとひと手間増える感じですね。

このようにメリットとデメリットがありますが、スペースさえ許すのであれば、下図のように上がり框をまたぐように設置すれば、それぞれのメリットを生かすことができます。 

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次にシューズボックスの選び方について。

まずは収納すべき靴の量を把握すること。

シューズボックスはひとつのユニットで80cm程度のものが一般的ですが、その場合標準的な靴は棚板1段あたり4足程度入る想定になりそうです。4足×段数分という感じですね。ただし、ブーツなどは背が高いので3段分必要になったり、などの補正は考慮する必要があります。

段数は高さによっても変わります。床から天井までのトールタイプであればもちろんたくさんの靴が収納できますが、その分空間における圧迫感は大きくなります。玄関がコンパクトな場合は注意が必要です。ロータイプであれば、収納量は減りますが、その代わり圧迫感は軽減され、カウンター上部に小物や飾りを置くこともできます。

必要な量を押さえた上で、シューズボックスユニット数、高さを選択します。

また、シューズボックスの扉裏側に鏡付きのものもあり、お出かけの際に姿見チェックが必要な方にとっては便利です。 

エントランスクローク

そして、エントランスクロークを設ける場合もあります。

玄関の土間部分から靴を履いたまま直接入ることができる収納スペースです。

エントランスクロークを設けるメリットはいくつかありますが、靴以外のものもいろいろと収納できるという点がまず挙げられます。ゴルフバッグ、ベビーカー、アウトドア用品、などのような外で使う比較的大きなアイテム類が置けるのはとても便利ですね。

また、大物アイテムに限らず、玄関で使う小物アイテム、例えば印鑑やペン、靴磨き類などを置くスペースもあれば便利ですね。こういった小物類こそ、あちこちに散らかりがちになって、ついつい生活感がにじみ出てしまうので、場所を決めて直すことができれば玄関をすっきりさせることにつながります。

その他にも、コートや傘などの収納スペースとしても利用できるので、来客時にも便利、玄関周りがすっきり片付きやすいです。

さらに、ウォークスルーできるようにしておけば、エントランスクローク内で普段の靴の脱ぎ履きができるので、よりいっそう玄関周りが散らかりにくいです。ただしその場合、扉の数が増えて、棚の数や物を置けるスペースが減るので、収納力が若干低下するので注意です。なお、内部の通路部分の幅は、使い勝手を考慮すると60cm程度を確保する必要があります。また、扉は開き戸ではなく、引き戸のほうが、床に置いている靴や収納物に干渉することがないので便利です。 

一方、デメリットもいくつかあるので要注意です。 

まず、シューズクローゼットに比べてそれなりの面積が必要になってきます。十分な面積を確保できないまま無理やりエントランスクロークをつくると、使い勝手の悪い収納スペースとなり、中に入りにくい、物の出し入れがしにくい、「ザ・物置」みたいになってしまう恐れがあります。

また、内部に臭いがこもったり、環境によってはカビが生えやすくなったりすることがあります。風通しが確保できるように窓を設けたいですね。日中に入るときに電気を付けなくていいのもいいですね。 

まとめ

以上、玄関周りの収納形式の特徴や注意すべき点をまとめました。

シューズクローゼットとエントランスクロークそれぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、最適の収納計画にすることができれば、家の顔となる玄関廻りがすっきりして、お客さんを呼ぶのも楽しくなりそうですね。

いい玄関をつくるには下記の記事も合わせてご参照ください。

 

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