家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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サニタリー空間を飛躍的に豊かにするアイデアまとめ

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

今回はサニタリー空間をよりいっそう豊かにしていくためのアイデアをご紹介していきたいと思います。トイレやお風呂、洗面室が魅力的な空間だと、ついつい人に自慢したくなりそうですね。来客が多かったり、親戚や友人が泊りに来ることが多い方は、特にサニタリー空間にも油断せずにこだわってほしいと思います。

■魅力的なサニタリー空間がほしい。

■ホテルライクなサニタリー空間を自慢したい

■お気に入りのサニタリー空間を作るためのさまざまなアイデアを見たい

上記のような方々にぜひお読みいただきたいです。

サニタリー空間に求められること 

サニタリー空間は主に、トイレやお風呂、洗面室などの水廻りを意味します。入浴、洗面、排せつ、洗濯、身支度、お化粧、歯みがき、ドライヤー、髭剃り・・・居室ではない場所でありながらも様々な行為が想定される場所です。にもかかわらず、お風呂と洗面室は1坪ずつ、トイレは1帖といった具合に、とてもコンパクトな空間です。

この非常に小さな空間に、様々な機能が求められますが、それと同時に居心地の良さも求められてきます。

爽やかで清潔感のある、オシャレで居心地の良いサニタリー空間は誰しもが憧れるものです。

外的要素をうまく取り入れる 

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出典:「MM++Architects」HPより   

     http://www.mmarchitects.net/index.html

外的要素とはつまり家の外にあるもの、例えば、風、光、空、緑などです。本来サニタリー空間は、入浴や着替えなどのプライバシーな行為が想定される場所なので、積極的に外部に開いていくような空間ではありません。

しかし、閉鎖された空間ではなかなか居心地の良さ、快適性を得ることが難しいです。居室ではなく、滞在時間が短い場所とは言えど、毎日必ず使う空間です。爽やかな外の光や風を取り入れることができる、空や緑が垣間見えるような空間であれば、より快適にその空間で過ごすことができます。

マンションなどでは窓の無いお風呂やトイレがほとんどですが、戸建てで暮らすのであればぜひ窓の備えられた水廻りにしたいところです。周囲からの視線をうまく避けながら、外を感じられるサニタリー空間を実現しましょう。 

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   出典:「MM++Architects」

    http://www.mmarchitects.net/index.html   

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 出典:「Mittelman Amsellem Architects」HPより

       https://www.maarch.com.au/

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 出典:「LA MIRATECA」HPより

    https://www.lamirateca.com/ 

例えば大きな開口から緑豊かなバスコートを眺められる入浴の時間は何にも代えがたい豊かな癒しの時間をあなたに提供してくれるはずです。日の光の明るさとともに枝葉の美しいシルエットが差し込んで着るのも素晴らしくきれいです。

空を切り取るトップライト、そこから降り注ぐ日の光もとても爽やかです。白を基調とした空間にしっかりと光を取り入れて明るい空間を生み出すことで、清潔感のあるサニタリー空間ができあがります。

テクスチャにこだわる 

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出典:「MM++Architects」HPより   

     http://www.mmarchitects.net/index.html

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 出典:「MM++Architects」HPより   

     http://www.mmarchitects.net/index.html 

サニタリー空間はどうしても予算的に優先度が低くなりがちな空間です。リビングや建物のファサードに力を入れる一方、洗面室やおトイレなどの内装スペックは標準的あるいはそれ以下の材料に落ち着きがちです。

しかし、これらの空間は非常に小規模であることから少し予算を努力すれば空間の質を高めやすい場所であるとも言えます。例えば壁の一面だけのほんの数㎡、この限られた範囲をアクセントウォールとしてテクスチャにこだわってみてはいかがでしょうか。

石の荒いテクスチャの陰影を楽しむ、ナチュラルな木調の壁を取り入れて落ち着きのある空間を味わう、特徴的な柄の壁を取り入れて空間に表情を与える。ムーディーな間接照明と合わせてデザインすることによって、ホテルライクな空間を演出することも可能です。

お気に入りの壁が一面あるだけで、サニタリー空間で過ごす時間が楽しみになってしまうかもしれませんね。

広さを強調 

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出典:「WALKER WORKSHOP」HPより

        https://www.walkerworkshop.com/ 

狭い空間になりがちなサニタリー空間。広さを感じさせる開放感を望まれるようであれば、大きな鏡を設けるのも効果的ですね。もし、窓が確保できないような場合でも、大きな鏡によって、広さ感を補うことができます。

洗面化粧台にこだわる

 

 

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出典:「simoncouchmanarchitects」HPより

    http://simoncouchman.com/ 

洗面脱衣室の洗面化粧台のデザインや機能にこだわるのも大切です。上記の事例のようにモザイクタイルによるアクセントは人気のある手法です。間接照明でタイル面を照らしてあげることができればより一層魅力的です。お気に入りの柄でオリジナリティのある洗面室が演出できますね。ちなみにこの部分は鏡にしておくと、小さいお子様にとっては便利ですね。

もし、洗面室のスペースに余裕があるようであれば、ツーボウルにするのもお勧めです。もちろん二人同時に使用することができるというメリットは便利です。それだけではなく、ボウルが二つ並ぶことによって一気にホテルライクな雰囲気になることでしょう。

内部オブジェクトにこだわる 

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出典:「GUIMATTOS」HPより

    https://www.guimattos.com.br/

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出典:「Fabian Tan Architect」HPより

    http://www.fabian-tan.com/

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 出典:「Fabian Tan Architect」HPより

    http://www.fabian-tan.com/ 

インテリアのアクセントになるような魅力的なオブジェクトを置いてあげるのも効果的です。インテリアグリーンは特におすすめです。間取り上、どうしても窓を確保できない場合でもほんの少し緑があるだけでも空間に癒しの要素が生まれます。

壁を彫り込んでニッチを作り、そこにお気に入りの飾り物を置き、照明を当ててあげるのもたいへん効果的です。あまりたくさん置きすぎるとかえって生活感が出てきてしまい、見た目もうるさくなりやすいので注意しましょう。1つ、2つぐらいにとどめておくのが良さそうです。

収納も忘れずに 

今回は主にデザイン的な面でどのようにサニタリー空間を豊かにしていくかという視点で書かせていただきましたが、やはり機能的な面も忘れてはいけませんね。使い勝手や、適正な広さの確保は当然ですが、結構忘れがちなのがサニタリー関連の収納です。トイレットペーパーや水回り関連用品のストック、お掃除用品の置き場所など。

せっかくオシャレなサニタリー空間を演出できたとしても、収納が溢れてしまっていては生活感がにじみ出てしまいもったいないことに。

整然とした空間が維持できるようにするためにも適正な収納量は確保するようにしましょう。

まとめ 

いかがでしたか。サニタリー空間は、外的要素をいかに効果的に取り入れるか、内部のテクスチャやオブジェクトにどのようにこだわるかで、空間の質が大きく変わってきます。コンパクトな空間なので、予算的にも力を入れやすい場所でもあります。

もちろん最低限の機能さえ果たすことができれば空間としては成立しますが、せっかくなら自慢したくなるようなオシャレな空間を演出していきたいですね。

この記事があなたの豊かなサニタリー空間を生み出すためのヒントになればとてもうれしいです。