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無垢フローリング床にするなら知っておきたいメリット・デメリット

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無垢フローリングには、天然素材ならではの独特の肌触り・温かみがあって非常に魅力的ですよね。

こんばんは。家の設計としております、建築士の「いえもん」です。

天然素材として魅力的で人気の高い無垢フローリングですが、採用するにあたってどのような注意点があるのか気になる方も多いと思います。

今回は無垢フローリング床のメリットとデメリットをまとめていきたいと思います。

そもそも「無垢」って? 

フローリング材の仕様にはいくつかの種類があります。
まず大きく分類するとすれば2種類に分けられます。
「無垢床フローリング」と「合板(複合)フローリング」です。

前者は無垢の木材からできたフローリング(そのままですね)、後者は複数の板材を接着剤で貼り合わせた合板を下地として、その表面に仕上げとなる材を貼り付けたフローリング材です。仕上げ材にどのような仕様の材を貼り付けるかによってさらに数種類に分かれる形になります。

まずは無垢床フローリングから説明を進めていきたいと思います。
(合板フローリングについては、後述します。)

無垢床フローリングのメリット

 

まずは無垢床のメリットからご紹介します。 

まず何より、木そのものの質感が最大のメリットとして挙げられます。見た感じの素材感、高級感、触った時の肌触りの心地よさ、ぬくもり。経年による色や艶の変化楽しむことができます。樹種によっては時間が経つにつれて、飴色に変化することによって重厚感が増していくなど、時間軸による移ろいを感じることができるのも味わい深く、大きな魅力の一つです。 

手触りとしては、夏はさらっとひんやりした心地よさ、水分を多く含んでいることから冬は静電気の抑制効果、また、熱伝導率が低いことにより、さわった時のひやっとした感覚を抑えられます。温湿度の変化によって空気中の水分を吸収・放出することができるという調湿効果もあり、四季のある日本においては快適に過ごすために非常に適した材料と言えます。 

木独特の香りも特徴の一つです。この香りに含まれている成分には癒し効果もあるといわれています。 

また、堅い合板などに比べると無垢床は弾力性・耐衝撃性に優れており、衝撃を吸収してくれる効果があることから足腰の悪い人にもやさしいという点もたいへんありがたい特徴の一つですね。

無垢床フローリングのデメリット

一方でここからはデメリットについてまとめていきます。

調湿効果があるということでしたが、これは逆に言うと、温湿度の変化によって伸びたり縮んだりするので、反りや隙間が発生する可能性があります。空気が乾燥した冬場は、無垢床の中に含まれていた水分が空気中に放出され、材が乾燥収縮します。

収縮により生じた隙間はホコリやごみのたまり場になり、スキマの程度やホコリの溜まり具合にもよりますが、気になる場合は地道にスキマを掃除する必要があるかもしれません。。また、収縮は床のきしみや音鳴りの原因にもなり得ます。時期によっては、踏んだ時に多少キキッと音が鳴る可能性はある程度受け入れる必要があります。 

また、水分にも弱いので、液体をこぼした時にはすぐに拭き取ってしっかり乾燥させる必要があります。こぼしたまま気づかずに放置していると、シミやカビの原因になります。水こぼしや食べこぼしにかなり神経質になってしまうかもしれません。小さなお子様がいる場合は注意が必要かもしれません。 

柔らかく傷つきやすいのも要注意です。スギなどの針葉樹は特に柔らかく、物を落とすとすぐに凹みます。ただし無垢材の場合は、傷や凹みができても、濡れ雑巾でアイロンをかけたり、ヤスリで削ったりすることによって、ある程度修復することが可能です。こまめなお手入れによって修復可能な点は逆に考えるとメリットだととらえることもできそうですね。 

床暖房に対応した無垢材がなかったり、あるいは種類がかなり限定されていることが多いです。対応可能であっても、床暖房を使い続けることによって反りが生じやすいなどの懸念があります。

他にはどんなフローリングの種類がある?

 

前述した合板フローリングについては、次の3種類があります。

突板フローリング

 

0.3mmという非常に薄い厚みにスライスした材を合板下地に貼り付けフローリング材です。表面材が薄いので、傷ついたときに下地の合板が見えてしまいます。合板の堅さが生かされるので、無垢材のように乾燥収縮はしませんが、長年使うことによる色の変化といった味わいはありません。薄いですが、天然目なので気の風合いは感じられますが、肌触り・木のぬくもり・高級感など、無垢材にはやはりかなわないでしょう。

 

 

挽板フローリング

 

2mm程度の厚みに切り出した木材を合板下地に貼り付けたもの。
突板に比べて表面材の厚みがあるので、無垢材に近い質感を持っています。無垢材同様に表面は柔らかいので傷や凹みが生じやすいですが2mmの厚みのおかげで、突板のように下地が見えてしまう心配は少ないです。また、無垢材に比べて、床暖房に対応しやすいです。

 

表面材を切り出す時に木くずが生じる、つまり、材のロスが発生することから、ものにもよりますが、値段は高くなりやすいです

シートフローリング

木目調にプリントされたシートを合板に貼り付けたフローリング材です。シート部分が人工であるため、色の差が生じにくく品質も安定しやすいので、マンションの床はシートフローリングであることが多いです。その他、日焼けしにくい、低コストというメリットもありますが、見た目は最も安っぽくなりやすいです。

 

 

 

 

まとめ

 

以上、無垢フローリング・合板フローリングの特徴をまとめてみました。
無垢フローリングはやはり天然素材の魅力が非常に大きいですが、それなりの注意点もありますので、しっかりと把握したうえで採用したいですね。