家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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トイレを計画するときにおさえておくべきポイントまとめ

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こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

使いやすさとプライバシーの両立が必要なトイレ。

「リビングのすぐ傍にあったら使いやすいなぁ、でも近すぎると視線とか音とか気まずいなぁ」みたいな感じで、家の中のどの部分に配置するかなど、非常に気を使い悩む部分でもあります。そんなトイレの計画をするときに踏まえておくべきポイントを以下にまとめていきたいと思います。 

トイレの位置

まず、配置については居室との位置関係が大事。目立ちにくく、かつ、トイレに至る動線が長くなりすぎないようなレイアウトを心がけたいですね。かといって、リビングなどの部屋から丸見えな位置なのも気まずいですよね。また、玄関からももちろん目立ちにくい場所にしておきたいです。視線さえうまく遮ることができていれば、玄関に隣接するトイレも選択肢としてアリだと思います。

しかし、来客が多くて玄関先で立ち話をすることが多い、玄関付近にホール的な空間があって腰掛けておしゃべりすることが多いなどの場合は避けたほうが良さそうです。

利便性とプライバシーを両立した配置を心がけたいものですね。

なお、洗面室や浴室なども含めて、水回りはなるべく一か所に集約したほうが給水や排水の配管長さを短くすることができて、より経済的な計画が可能になります。

また、トイレは基本的に独立していて廊下からアクセスする形が多いですが、洗面室を経由してトイレに入るという形も、廊下面積を節約したい場合など、プラン上有効な時もあります。浴室・洗面室・トイレが一体となった「3in1」などと呼ばれます。

ただしこの場合、家族が入浴しているときに同時使用できないなどの不便な点もあるので注意が必要です。この場合はもう一か所トイレがあるということが前提になってきそうです。 

窓や扉

プライバシーや防犯を優先した結果、窓無しのトイレになっていることがありますが、お昼でも照明が必要になったり、湿気やニオイがこもってしまうなど、衛生面で望ましくありません。確かに換気扇を回せばよいのですが、やはりダイレクトに外気と接した窓による換気と自然採光のほうが望ましいといえます。必要最小限のサイズでも良いので、窓があった方が快適ですね。 

また、ドアは外開きにするのが原則です。中で倒れたりなどの緊急時に外からスムーズに開けて助けられるようにするためです。 

音に関しても配慮が必要です。寝室に隣接してトイレが配置されていると、夜中に流す音が聞こえて目が覚めたりすることがあります。間に収納や納戸などでワンクッション緩衝を設けてあげることで一定の遮音効果が期待できます。

また、平面的な位置関係だけでなく、上下方向でも気を付けたいです。例えば、1階にも寝室がある場合に、寝室の真上の2階部分にトイレを配置すると、同様に夜中に睡眠の妨げになる可能性があります。 

トイレは2つ必要か 

各階トイレについて、家族人数が4人を超えてくるとトイレは2つが理想的になってきます。確かにお子さんがいずれ巣立っていき、夫婦二人だけの家になった時に2台もトイレが必要無いのは間違いありません。しかし、それだけの理由で子供がいなくなるまでの十数年間、トイレの混雑で日々ストレスを感じ続けるのはもったいないことだと思います。

トイレ一か所でおおよそ十数万円~20万円代程度です

いずれにせよ、おなかが弱い人がいたり、トイレでゆっくりする人が家族の中にいる場合は、必然的に朝の混雑等ストレスの原因になるので、各階に1台ずつあったほうがよいでしょう。 

収納も忘れずに

トイレットペーパーのストックや掃除用具などの置き場所も忘れず検討してください。ドアの上部や便器の上部の天井付近に棚を設けたり、壁に棚を埋め込んだり、あるいはトイレの外の別の場所に収納スペースを設けるなど、最適な置き場所を検討してください。掃除用の洗剤などはお子さんの手の届かない高い位置の棚に収納できれば安心ですね。 

自動機能の必要性

 

最近では自動で流れてくれる機能があったり、トイレに入った時に自動で便蓋が上がってくれる機能などもありますよね。公共施設や商業施設、飲食店などでもよく見かけますが、そのような機能を家の中でも求めるかについて。

自動洗浄機能については、小さなお子様がいる家庭では少し気にした方がいいかもしれません。小さいころから自動洗浄機能に慣れてしまっていると、外に出かけたときも「トイレは勝手に流れてくれる」という考えが定着しすぎてしまって流し忘れてしまう、ということが実際によくあるようです。

正直なところ、流す動作自体そこまで面倒に感じることもないと思うので、特段大きなこだわりがない限りそこまで必要性は感じません。

そして、蓋が自動で上がる機能について。これについても同様にそこまで必要無いのではと考えていましたが、腰痛の激しい人にとってはとても重宝するという声を聴いたことがありなるほどと感じました。蓋を上げる際に微妙にかがむ動作は確かに負担になりそうですよね。足腰の悪い方がいらっしゃるようであれば取り入れてみてもいいかもしれません。

 

 

 

 

まとめ

以上、気を使うべきポイントが非常に多いトイレですが、一つ間違えると日常生活における不便さ、ストレスや気まずさにもつながる可能性がありますので、上記のポイントを押さえた上で注意深く計画するようにしてくださいね。