書斎「的」な場所があると便利という話
こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。
今回は書斎コーナーのあり方について考えてみたいとおみます。多くの場合、書斎のご要望はご主人からの要望として挙げられることが多い印象かもしれません。お父さんの執務・趣味・読書のための部屋というイメージが強いかもしれませんが、近年ではそのあり方も多様化してきているような気がします。
書斎という場所のさまざまなあり方と合わせて考えていきたいと思います。
まず、そもそも書斎は必要か?
家づくりの打ち合わせをしていてよくあることが、そもそも書斎が本当に必要なのかという点で議論なります。特にご夫婦の間で意見が分かれるということもよく起こります。
休日の家での仕事のため、読書や趣味のためなど、執務空間として、あるいはくつろぎの空間として書斎が欲しいという意見と、少しでもリビングなどの他の部屋や収納スペースを広げたいという意見がぶつかり合うようなケースですね。
で、個人的に筆者は書斎があった方がいいと考えています。もう少し、言い方を変えると、書斎とまではいかなくても「書斎コーナー」、「書斎的な場所」、「とにかく何かしらの作業ができる場所」があった方が良いと思います。
使い方を限定しない空間
「とにかく何かしらの作業ができる場所」があることによって、よりフレキシブルな使い方ができる家になるということにつながります。「誰」が「何」をするための、みたいな感じで使い方が限定されていないということによって、家族のみんながそれぞれ必要に応じた使い方ができます。
「お父さんの仕事スペース、読書、調べもの」、「お母さんの家事の休憩場所、ティータイム」「お子さんの宿題、勉強場所」みたいな感じで多様な使い方が一つの場所で行うことができる。
出典:「Hyla Architects」HPより
上図のような本格的な書斎ももちろん非常に魅力的ですが、どうしてもある特定の誰か(おそらくお父さん)のためだけの空間になります。これに対して下図のような場合はどうでしょうか。
出典:「Breathe Architecture」HPより
左奥の方ににオープンではあるけれど、ちょっとした個室的な場所が設けられています。このように、リビングの一角に書斎っぽい使い方ができる場所を用意しておくことによって、写真のようにお母さんが家事の休憩時間に読み物やティータイムとして利用することができたり、家族のみんなが使うことができるという感じになります。
各々の本を置くことによって、家族共有のファミリーライブラリにもなって、家族みんなの情報共有の場所になったり、お互いの趣味に関心を持ったりと、家族間のコミュニケーションの活性化にもつながります。
働き方の多様化
社会的な背景を鑑みても、このような書斎っぽい場所の必要性は増していくのではないかと思っています。労働時間の問題が大きく取り上げられるようになってきていますが、これと同時に個人の働き方がどんどん多様化していったり、企業もさまざまな試みを実施し始めていますね。
例えば最近では在宅勤務システム・テレワークを導入し始めているケースが徐々に増えてきています。また、副業を認める企業も徐々に増え始めてきていることから、在宅で仕事や作業を行う必要性も今後増えていく可能性があります。
共働き世帯も増加してきていることから、お父さんだけではなく、お母さんも仕事や作業ができるスペースが家の中にあった方がいいかもしれません。
これらのように、社会的背景を踏まえて書斎っぽい場所が家の中によりいっそう必要とされてきているような気がします。
ちょっとした書斎コーナー
出典:「Breathe Architecture」HPより
出典:「STUDIO AG」HPより
例えばこんな感じで、リビングの片隅にほんの少しでも書斎的に使うことができるデスクがあるといいですね。家族とのコミュニケーションを保ちながら、自分のワークスペースとしても活用できる場所があると家族のみんなにとってとても有効です。
木の質感やアクセントカラーを取り入れるなどして、お気に入りのテイストで仕上げると家族みんなのお気に入りの場所になりそうですね。
書斎については下記の記事に押さえておきたいポイントをまとめていますので合わせて参照いただけますと幸いです↓↓
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