家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

いい家づくりに必要な知識やノウハウが詰まったガイドブック的なブログを目指します。

ミニマルなインテリアデザインという選択肢


f:id:Frappuccino:20190808013136j:plain

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

今回はミニマルなインテリアデザインについて考えてみたいと思います。無駄なモノや装飾、生活感が一切排除され、極限までシンプルでスッキリとした空間は、スマートな印象を感じさせ、多くの人が憧れるデザインでもあります。

このようなミニマルデザインを実現するための具体的な手法や注意点、得られるメリットをご説明していきたいと思います。

ミニマルデザインを実現する手法 

f:id:Frappuccino:20190808020533j:plain

出典:「Gautschi Lenzin Schenker Architects」HPより 

            https://www.glsarch.ch/

”Minimal(ミニマル)”とは「最小限の」という意味。

ミニマルデザインの空間においては、余計な装飾や生活感をいったんすべてリセットすることを目指しましょう。色彩は白を中心とした空間に、必要に応じてグレーや黒といったモノトーンで表情を与えていくのが基本です。

素材は無機質なガラスやコンクリートも適しています。扉やキッチンの面材なども極力フラットで無機質なモノを選定していくと効果的です。

ミニマルデザインの注意点 

ミニマルデザインの実現には前述の色彩や素材の選定である程度可能になります。しかし、ミニマルデザインを維持するには徹底的な生活感の排除が前提となり、これがなかなか難しいです。特にリビングやダイニング空間は、様々なモノが散乱しやすい場所です。

様々な日用品がそこらへんに無造作に置かれている状態が積み重なっていくと、せっかくのミニマルな空間は徐々に台無しになっていきます。

このような事態を防ぐ上で重要なのが綿密な収納計画であると言えます。モノが散乱しないように適材適所に十分な収納量を確保するとともに、生活における収納に対する心がけも必要です。収納との向き合い方については下記の記事でも考察しているので合わせてご参照いただけると幸いです↓↓ 

www.my-home-dream.com

 

あらゆるものを排除してミニマルデザインを追求していくと、空間があまりに無機質に感じられたり、殺風景な印象になってしまうこともよくあります。このあたりのバランスが非常に難しいと言えます。 

f:id:Frappuccino:20190808022958j:plain

出典:「Gautschi Lenzin Schenker Architects」HPより 

            https://www.glsarch.ch/

f:id:Frappuccino:20190808020553j:plain

 出典:「Gautschi Lenzin Schenker Architects」HPより 

            https://www.glsarch.ch/ 

例えば、温かみのある電球色の照明の光をふわっと取り入れてみたり、同じ白色でも石やタイル、塗り壁など、さまざまなテクスチャを取り入れて空間に表情を与えながら、ミニマル具合を調整してあげることも可能です。

あるいは思い切って木調の壁を部分的に取り入れて素材の対比を演出するのも良いでしょう。

ミニマルデザインをさらに魅力的に 

f:id:Frappuccino:20190808023931j:plain

出典:「Mittelman Amsellem Architects」HPより

      https://www.maarch.com.au/


f:id:Frappuccino:20190808023858j:plain 

出典:「Mittelman Amsellem Architects」HPより

      https://www.maarch.com.au/  

ミニマルな空間では、光や陰影をより美しく見せることができます。余計な色や装飾や凹凸によるノイズが無いため、室内に差し込む光とそれによって生じる影そのものが存在感を獲得する空間となります。

普段何気なく見過ごしているかも知れない光と影の美しさに改めて気づかせてくれるかもしれませんね。 

f:id:Frappuccino:20190808024031j:plain

 出典:「Fabian Tan Architect」HPより

    http://www.fabian-tan.com/

 

f:id:Frappuccino:20190808024053j:plain

 出典:「MM++Architects」HPより

    http://www.mmarchitects.net/index.html 

モノトーンの色彩で抽象化された空間は、そこに存在するモノを際立たせて見せる効果があります。それはまるで美術館のホワイトキューブの空間と同じような力と言えます。

鮮やかな色彩の家具やアートは、より一層作品らしく際立ち、カウンターの上に無造作に置かれたフルーツすら何らかの意味があるように感じられる。あなたの居住空間にそんな不思議な力が宿る、それがミニマルな空間です。

この効果は空間の外にも力を及ぼします。 

f:id:Frappuccino:20190808024753j:plain

 出典:「Gautschi Lenzin Schenker Architects」HPより 

            https://www.glsarch.ch/ 

窓によって切り取られた景色すら、絵画のように際立って存在感を持ちます。外の景色はよりピクチャレスクに、シンボルツリーはよりシンボリックに。

まとめ 

いかがだったでしょうか。ミニマルな空間はあなたの居住空間に様々な効果の可能性を提供します。美術館のギャラリーのような抽象的で不思議な魅力を持つ空間で暮らしてみるのはいかがでしょうか。